2012 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者における市中肺炎予防に関する口腔内環境の基礎的研究
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23593457
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
熊澤 友紀 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (20571730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 やよい 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00177560)
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60238441)
米田 雅彦 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80201086)
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Keywords | 市中肺炎 / 地域高齢者 / 予防 / 唾液 / 口腔内環境 / 口腔内細菌 / real-time PCR法 |
Research Abstract |
本研究は地域高齢者の肺炎予防における基礎的研究として、唾液の自浄作用を司る蛋白質及び細菌のDNA量を測定し、明らかにすることが目的であった。 平成23年度にはまず高齢者と比較対象とするための健常成人者を対象とし、年代別に口腔内環境を調査した。対象者へ口腔内の自覚症状等の問診を行い、舌及び頬粘膜の湿潤度及び唾液の採取を実施した。平成24年度は、A市在住の地域高齢者(65歳以上)を対象に、平成23年度同様の方法でデータ収集を実施した。対象者は288名であり、その年齢及び性別の内訳は65-69歳(60代)58名(男性35名、女性23名)、70-79歳(70代)161名(男性89名、女性72名)、80-89歳(80代)64名(男性32名、女性32名)、90歳以上(90代)5名(男性4名、女性1名)であった。舌粘膜の年代ごとの平均値±SDは、60代:27.5±2.0%、70代:27.6±1.6%、80代:27.3±1.6%、頬粘膜は60代:27.4±1.6%、70代:27.4±1.6%、80代:27.2±1.8%、90代:29.5±0.9%であった。また、唾液検体からは、唾液中の分泌型免疫グロブリンA(secretory Immunogrobulin A: sIgA)、ラクトフェリン、上皮成長促進因子(epidermal growth factor: EGF)の濃度を測定する予定であり、現在分析段階にある。また、肺炎の代表的な原因菌とされる肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumonia:S.pneumoniae)をreal-time PCR法によって測定し、これらが検出された対象者は60代28名、70代61名、80代19名、90代5名であった。今後さらに詳細に分析し、平成23年度の結果と統合し、分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は地域高齢者及び成人期にある対象者の口腔内環境、具体的には肺炎の起因菌である肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)を中心とした細菌DNA量や、口腔内自浄作用を司る物質を明らかにし、肺炎発症の基礎的資料とすることが目的である。 平成23年度に引き続き、平成24年度は地域高齢者を対象としたデータ収集及び分析であり、当初予定していた対象者数を超え、288名のデータ収集を実施した。 平成24年度は高齢者のデータ収集を計画していたため、これらは計画通り順調に進展している。 現在、これらから得た検体の生化学・分子生物学的な分析を実施しており、これらの結果を今後は学会発表及び論文発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は2年間で得たデータ収集の分析及びまとめに充てる予定であり、関連学会への発表や論文作成・投稿を行っていきたいと考えている。研究費は概ね計画的に使用できているが、再実験等の必要がある検体については、分析キットを購入し、再検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検体の分析に必要なキットの購入、研究発表や情報収集のための学会旅費等、また書籍や文献等の購入、論文投稿の際の校閲や印刷費用等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)