2013 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者における市中肺炎予防に関する口腔内環境の基礎的研究
Project/Area Number |
23593457
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
熊澤 友紀 愛知県立大学, 看護学部, 客員共同研究員 (20571730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 やよい 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00177560)
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60238441)
米田 雅彦 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80201086)
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Keywords | 高齢者 / 市中肺炎 / 唾液タンパク / 肺炎球菌 / 肺炎球菌ワクチン |
Research Abstract |
肺炎は高齢者の死因第3位に位置する疾病であり、市中肺炎の発症には、口腔や咽頭の細菌を含んだ分泌物の不顕性誤嚥が関与していることが考えられる。本研究は高齢者の市中肺炎予防のための基礎的研究として、高齢者の口腔内における唾液に含まれる蛋白質や肺炎球菌のDNA量の実態を明らかにすることである。 平成25年度は、主に平成24年度に実施した地域高齢者287名の口腔内環境の調査データの分析を実施した。採取された唾液検体における唾液蛋白として、分泌型免疫グロブリンA(secretory Immunoglobulin A: sIgA)、ラクトフェリン(lactoferrin: LF)、上皮成長促進因子(Epidermal growth factor: EGF)の濃度をELISA法によって測定し、また、肺炎の起因菌とされる肺炎球菌のDNA量を定量リアルタイムPCR法によって測定した。 平成23年度において調査した健常成人の対象者データとともに、今回得られた高齢者の口腔内環境について比較検討した。具体的には、年齢要因(成人群・前期高齢群・後期高齢群)、肺炎球菌ワクチン要因(未接種群・接種群)、肺炎球菌要因(未保菌群・保菌群)に分類し、唾液タンパクとの関係を統計的に比較した。肺炎球菌保菌者は成人群35名(55.6%)、前期高齢群64名(45.7%)、後期高齢群48名(32.7%)であった。sIgA・LF・EGF濃度は、成人群より前期高齢群・後期高齢群が有意に高かった(p<0.05)。高齢群では、肺炎球菌未保菌群が保菌群よりsIgA・LF(後期高齢群)・EGF濃度が有意に高かった(p<0.01,p<0.05,p<0.01)。肺炎球菌ワクチン接種とsIgA濃度との関連は認められず、ワクチン接種にかかわらず、口腔衛生環境保持の重要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)