2012 Fiscal Year Research-status Report
学校現場におけるレジリエンス能力の向上に向けたメンタルヘルスプログラムの開発
Project/Area Number |
23593459
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70331650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 美代子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40418869)
土田 幸子 三重大学, 医学部, 助教 (90362342)
山下 真裕子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (40574611)
牧野 耕次 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (00342139)
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Keywords | レジリエンス / メンタルヘルス / 思春期 / 学校保健 |
Research Abstract |
本研究は、思春期初期の児童生徒を対象にしたメンタルヘルス・セルフマネージメント能力の開発プログラムの作成を目的としている。具体的には以下の三つの目的となる。 1)国内における、小学校・中学校におけるメンタルヘルス教育の現状を把握 2)海外で施行されている、メンタルヘルス教育を基に、国内の現状に応じたメンタルヘルス・セルフマネジメント能力の開発を目的とした長期的メンタルヘルス教育プログラムの内容・教材の作成 3)プログラム(試案)の暫定的実施及び評価 H24年度は、H23年度の調査を引き続き継続したことと、目的の3)にあたる、教育プログラムの作成に当たり、オーストラリアで、教員向けのmind matters,Level One Introductory Workshopに分担者(長江、土田)とともに参加した(平成24年 8月 20日 ~ 平成24年 8月27日)。Workshopでは、現地の中学校の教員とともに研修を受け、Mind MattesrのなかのSchool Mattesrsを中心に、生徒への教授内容や方法について、基本的な知識を学ぶことができた。オーストラリアにおいても、ネットハラスメントをはじめとする学校現場でのいじめが社会問題になっており、「レジリエンスの強化する」という項目の中では、どのような子どもが仲間からはみ出してしまうリスクが高いか、またこども達に援助希有の必要性を伝えるなどの内容が盛り込まれており、本研究の課題であるプログラムの開発に向けて、非常に有効な示唆を得ることができた。また、オーストラリアでは、地域での精神障碍者支援が非常に進んでおり、小中学生が精神科病棟に入院し、退院から復学までを支えるシステムが構築されており、そうした施設の見学から、今後のプログラムの発展性について検討することもできた。現在、それらを基に、プログラムの検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度は、プログラムの内容の検討が活動の中心であり、そのために、研究メンバーの甘佐、長江、土田が、オーストラリアのオーストラリアで、教員向けのmind matters,Level One Introductory Workshopに参加した。Mind mattersは、多角的に、生徒に向けたメンタルヘルス教育のプログラムであり、レジリエンスにも着目した内容があるが、それをそのまま国内の、中学生に活用できるかというと文化的背景の違いもあり、難しい部分もある。中学生という発達段階にある生徒に、日常どのような問題が生じやすく、関わりや介入が必要かということは、昨年度から中学教員にインタビューを行いデータの集約に努めている。さらにデーターを増やすことを考え、現在も調査を継続している。レジリエンス強化に向けた教授内容の精選を実施しているが、日本の中学生のニーズに応じた内容になるようさらに検討を深めている。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラムの一環として「レジリエンスの強化」に向けた、教材の作成および、それらを用いたプレ講義の実施。評価を行いながら、A市内の中学生を対象に模擬講義を行いその評価を基に、包括的なプログラム内容の作成にあたる予定である。講義時には、生徒からアンケート調査を行い、教授内容の評価だけでなく、中学生が社会で生きていくうえでのニーズ等についてもデータを収集していきたいと考えている。また、当初中学生をプログラムの対象としていたが、研究を進めてていくうえで、小学校から中学校への移行が、ひとつのハードルであり、その移行時期も含めて、プログラムが必要であることも考え、調査対象の幅を広げていく必要性も感じており、さらに検討を進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもに検討会(会議費・旅費・謝礼・雑費 20万円程度を充当予定)および教材作成の費用、および調査協力の謝礼に充当する。教材は、生徒個人にも配布できるものも考えていおり、必要に応じて、関連各所にも配布を予定している(15万円程度を充当予定)。また、研究過程で行った調査についての、学会発表への参加費、旅費等(5万円程度×3名分を充当予定)にも活用する予定である。
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Research Products
(1 results)