2012 Fiscal Year Research-status Report
地域を基盤とした「地域病院協働型在宅移行支援システム」の開発とガイドラインの作成
Project/Area Number |
23593463
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
森下 安子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (10326449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 理子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60305810)
小原 弘子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (20584337)
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Keywords | 在宅移行支援 / システム構築 |
Research Abstract |
研究者らが開発した、共通の行動指針となる手順書である「A市版在宅移行支援フローチャート」を使用して4事例を展開し、振り返り会議で支援の評価を行ってきた。今年度は、これらのアクションリサーチで関わっているA地域の地域病院協働型在宅移行支援システム構築に向けた2年間の取り組みで生じた地域・病院の変化をチーム会議録、事例振り返り会議での対話記録、事例展開中のメールでの研究者との対話記録、個別インタビューから、病院側と地域側の在宅移行支援への取り組みの変化、地域側と病院側との関係性の変化をアウトカムの視点から質的に分析した。また、そのアウトカムをもたらした要素についても上記データから抽出した。 その結果、地域病院協働型在宅移行支援システム構築におけるアウトカムとして、「タイムリーな情報提供・共有」「入院中の在宅生活を見据えたアセスメントとケアの展開」「在宅移行支援のスキル向上」「ケアマネジャーの医療依存度の高い療養者への在宅移行への抵抗感の消失」「時間短縮」「退院日数の短縮化、再入院率低下」の6つが明らかになった。また、これらのアウトカムをもたらした要素については、【構造的側面】として「在宅移行支援システムを構築するにあたって存在した組織・人・役割・強み」「昨年度開発したフロ-チャート等手順書や情報共有シートなど展開におけるツールやルール」「共に検討・決定する場の存在」があった。また、【プロセス的側面】として、「在宅移行支援展開に向けた病院側の理解の深まり、参加スタッフの意欲向上への支援」「事例展開を円滑に進める支援」「事例展開を円滑に進める支援」「在宅移行支援のスキルの向上、システムの発展、他事例への波及への支援」「システム作りの展開でスタッフ自らがシステムを作るという意識の継続への支援」の4つの支援が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作成した手順書を基に、アウトカムにつながる有効な介入について検討することができ、システム構築に向けた構造的側面、プロセス的側面における介入方法等について検討することができた。現在別の2つの地域でも、構造的側面への介入を行い、プロセス的側面への介入方法を用いて展開をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、1地域で展開した介入方法を用いて、他の2地域においてシステム構築に取り組んでいる。その2地域においても事例を展開する中で、研究参加者の気持ち・考え・行動、患者・家族との関係と反応、他職種との関係と反応の変化のプロセスを事例の記述、研究参加者の内省的記述、研究メンバーの対話記録等より再度たどり、意味を解釈する。 上記から、在宅移行支援を実践した一人一人の変化のプロセスと重ね、類似点を抽出する。また、地域・病院に現れた変化を抽出し、介入方法についても実践する中で洗練化を諮る。 以上より、「地域病院協働型在宅移行支援システム」構築に向けたガイドラインを作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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