2013 Fiscal Year Research-status Report
通所サービスにおける家族介護者の介護適応を促す協同的ケアモデルに関する研究
Project/Area Number |
23593465
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
檪 直美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (80331883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 由起子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10382425)
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90382431)
横尾 美智代 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00336158)
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Keywords | 家族介護者 / 介護負担 / 介護力 / 看護ニーズ |
Research Abstract |
研究目的は家族介護者の介護力を最大限に引き出し、介護負担感を軽減していくための看護ニーズとその関連要因を明らかにし、在宅での介護を継続するための看護支援の在り方について示唆を得ることである。調査対象者は家族介護者1200名。調査期間は2012年5月~8月。調査内容は家族介護者及び要介護者の属性、介護状況、介護力評価尺度、看護ニーズ。解析方法は各変数の基本的統計量を求め、次いで看護ニーズについてはクラスター分析を実施した。介護力について探索的因子分析を実施し構成要素の因子は「要介護者を思いやる力」「介護ケア実践力」「自己の健康管理力」「介護生活からの転換力」「周囲の援助活用力」「介護に対する負の感情表出力」が抽出され尺度としての信頼性と妥当性が得られた。介護力と看護ニーズに関連する要因を明らかにするため順次重回帰分析を行った。結果は有効回収数は661(有効回収率55.1%)。介護力に関連する要因として、家族介護者がもつ「周囲の援助活用力」は健康観と関連しており家族や周囲に援助を求め介護を一人で抱え込まない力をもつことが重要であると考える。介護者の介護知識は介護力に密接に関連しており、介護知識を持つということは介護者自身の自信や健康にも大いに関連するだけでなく、介護内容や支援の活用法をより具体的にイメージできるようになると考えられる。看護ニーズである看取りや健康相談が介護力と関連しており、介護ケア実践力の高い家族介護者には介護に没入していないかに気を配り、介護との距離をつくり介護以外の時間を確保することや、介護に対する不満や辛さを表出できる場の確保、介護知識を提供できる機会を確保することが重要である。地域包括ケアや通所サービスでの介護保険サービスには位置づけられていない多職種による家族支援についてそれぞれの職種の専門性を生かした役割モデルの示唆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年4月現在、すでに質問紙調査のデータ解析はすべて終了している。そしてその解析結果より研究目的である家族介護者の介護適応を促すための介護力を引出し、向上させていくための支援について示唆が得られた。これまでの研究成果について学会発表と論文執筆をおこない介護力についての尺度構成の妥当性と信頼性は担保し成果を公開することができた。次いで、この尺度と看護ニーズの関係性を明らかにできた点では本研究の目的を概ね達成できたと考える。現在成果を公表するためのまとめを執筆中であり、最終的にこの研究により示唆を得られた協同的ケアモデルについての成果の公表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的を達成するためのデータ収集、および解析、その結果を意味づけていく文献検討は終了した。今後1年間については報告書の作成と論文執筆を目標としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究について学会発表および1編の論文執筆を行い、一定の成果は得られた。しかし最終段階で得られた成果についての学術学会発表と論文執筆が完了していない。H25年度3月までの研究の全過程を終了した研究成果の公表をする必要があるため次年度使用額が生じた。 研究成果の発表として、H26年11月に開催される日本看護科学学会学術集会での発表のための旅費交通費として2名96,000円を使用する。また日本看護研究学会誌への投稿費用および報告書印刷費用に106,700円を使用し、当初の予定通り直接経費を使用する計画である。
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