2014 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護師の離職防止を意図した「首尾一貫感覚向上プログラム」の有用性の検討
Project/Area Number |
23593471
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松下 年子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50383112)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 首尾一貫感覚(SOC) / 新卒新人看護師 / 看護管理者 / SOC向上プログラム / 介入研究 / 育児中の母親 / 妊娠・育児中の父親 / 気分状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:育児中の母親のSOC(首尾一貫感覚)と気分状態等の推移を掌握することを目的に、また父親と母親のペアにおけるSOC等の推移を掌握することを目的に、それぞれの対象群に対して縦断的調査を継続した。方法:郵送式自記式質問紙調査。結果:前者に関しては、妊娠初期から後期、出産後の育児期間中常に、一般人口よりも高い水準のSOCが維持されることが示唆された(平成26年において出産後6年目)。また後者についても、両親ともにSOCは高水準を維持し、かつ夫婦のSOC等に有意な相関があることが認められた(平成26年度において出産後2年目)。 次に、本年度はデータ収集を実施しなかったが本研究の主眼、「新卒新人看護師の離職防止を意図とした『首尾一貫感覚向上プログラム』の有用性の検討」について記す。目的:新卒新人看護師の入職後のSOC、気分状態、看護の自律性等、また新卒新人看護師を対象としたSOC向上プログラムの有用性を明らかにすることを目的とした。次に、看護管理者に対する同プログラムの実現可能性と有用性を検討することを目的とした。方法:SOC向上プログラムの介入群と非介入群の新卒新人看護師を対象に、前者には計4回の介入、定期的な自記式質問紙調査、プログラム実施後の面接調査を、後者には定期的な自記式質問紙調査のみを実施した。さらに看護管理者にも、同介入と自記式質問紙調査を予備調査として実施した。結果:新卒新人看護師のSOCは当初から入職後1年にかけて低下し、その後は安定化する傾向にあること、自律性は全般的に向上していく傾向、またSOCが高いほど自律性も高いこと、さらに気分状態はおおよそ不良であることが掌握された。なお、新卒新人看護師を対象としたSOC向上プログラムの有用性と、看護管理者を対象とした同プログラムの実現可能性と有用性が示唆された。
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