2011 Fiscal Year Research-status Report
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23593474
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Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
五十嵐 愛子 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (70334852)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 薬物依存症 / リハビリテーション / 回復支援 / 薬物乱用防止 |
Research Abstract |
1.本学の倫理審査委員会の承認を得たうえで薬物依存症者へのインタビュー調査を実施した。承諾の得られた施設入所約1年以上の者を対象として10件のインタビューを行った。対象者の属性は、全員男性、中等教育未修了の者が多く、妻帯者はいなかった。使用薬物は、覚せい剤、コカイン、大麻、シンナー、処方薬、市販薬、ライターガスなどであった。「リハビリ施設での治療でどのように回復してきたか」の語りから、入所当初はプログラム参加の意味もわからず早く施設から出たかった、プログラム参加後約3カ月位から周りの仲間の言うことが分かってきた、自分も同じ思いをしている、役割(動物係、調理係、車輌係など)をもらって果たすようになると自分の存在がわかる、スポーツプログラムを通して薬物以外の楽しみを見つけられたなどの共通した言葉が聞かれた。今後もインタビュー調査を続け、逐語録の作成、分析をすすめていく。2.本研究の妥当性を見出す目的で、アメリカカリフォルニア州のDrug Court3か所とTreatment Center3か所を見学した。3か所のDrug Courtとも、公判前約2時間位かけて出廷人のケースワーカーやカウンセラーなどからJudgeに情報を提供し、どのようなJudgeを下すか検討していた。開廷後、出廷人がJudgeの前に立ち、治療施設での経過などを伝え、Judgeはプログラムが順調に進んでいる者には次のステップに行くこと、約1年順調に経過した者にはプログラムの終了と薬物使用は無罪であるとJudgeしていた。反対に、プログラムへの不参加者や尿検査陽性者はその場で受刑とJudgeし、刑務官に付き添われて刑務所に送られていた。Treatment Centerでは、皆役割を与えられミーティングやスポーツなどのプログラムに参加していた。Judgeたちは薬物依存症を犯罪よりも病気とみて治療が必要と語っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.インタビュー調査は、順調に進んでいる。今後もインタビューを進めながら、逐語録の整理と結果の分析の作業を始める。2.アメリカカリフォルニア州の裁判所と治療施設の見学ができ、薬物依存症からの回復への取り組み方が理解できて来た。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今後もインタビュー調査を進める。2.逐語録の作成と結果の分析を始める。3.関係する学会で、研究の途中報告を行う(アメリカカリフォルニア州のDrug Court3か所とTreatment Center3か所での回復支援について等)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.インタビュー調査のための旅費、資料整理代、謝金、人件費等2.インタビュー調査の整理に使用するUSB,事務用品などの物品費3.アメリカカリフォルニア州の見学したTreatment Centerで、承諾の得られた2人に日本と同様なインタビューを行う。
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Research Products
(5 results)