2012 Fiscal Year Research-status Report
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23593474
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Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
五十嵐 愛子 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (70334852)
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Keywords | 薬物依存症 / リハビリテーション / 回復支援 / 薬物乱用防止 |
Research Abstract |
1.前年度から継続して、薬物依存症のリハビリ施設に入寮している薬物依存症者へのインタビュー調査を行った。承諾の得られた入所約2年以上、20代から40代の男性8名にインタビューした。使用薬物は、覚せい剤、シンナー、大麻、接着剤、処方薬、市販薬、ライターガスなどであった。「薬物使用からどのように回復してきたか」の語りでは、違法薬物を使い何度も刑務所で受刑を受けると親の元にも帰れない、仕事もうまくいかない、住む場所もないなどからさらに薬物を使用していたことがわかった。親は薬物依存症の家族会に参加していた者がいて、親は薬物を使用している子供の面倒は見ていなかった。行く当てのない薬物依存症者は、親、刑務所、保健センター、精神保健福祉センター、警察などから、薬物依存症リハビリセンター「ダルク」を勧められ、ダルクに入所できていた。しかし、ダルクでの生活に馴染めず、退寮と入寮を繰り返している者が多かった。回復の要因は、仲間がいたから、役割を持てたから、プログラムで話せるようになったから、他の人の話を聴けるようになったからなどであった。 2.本研究の妥当性を見出す目的で、アメリカカリフォルニア州にある薬物依存症回復施設2施設で治療を受けている薬物依存症者20代から50代の男女6名にインタビューした。 彼らは幼少時に単親で育てられていたものが多かった。10代からおもにコカインを使用、ギャングにはいいている者もいた。彼らはドラックコートの裁判所からの命令で治療を受け、回復に向かっていた。中には施設のカウンセラーとして働いている者もいた。 3.日米両国のインタビューから薬物依存症からの回復には時間を要すが、治療を受け続ければ回復し続けられることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由) 1.インタビュー調査は順調に進んでいる。今後もインタビュー調査を進めながら、逐語録の整理と分析を進める。 2.アメリカでの回復施設で治療を受ける薬物依存症者にインタビューでき、日本での治療施設での治療もアメリカと同様の治療を進めており効果あるものとわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 1.インタビュー調査を進める。 2.逐語録の作成と結果の分析、薬物依存症者の回復過程を明らかにする。 3.関係する学会で途中報告を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(6 results)