2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23593474
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
五十嵐 愛子 創価大学, 看護学部, 教授 (70334852)
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Keywords | 薬物依存症者 / リハビリテーション / 回復支援 / 薬物依存症の治療 / 薬物乱用防止 |
Research Abstract |
1.前年度から継続して、最終年度も薬物依存症のリハビリテーション施設に入寮している薬物依存症者10名への半構造化によるインタビューを行った。使用薬物は、覚せい剤、大麻、シンナー、処方薬、市販薬、ライターガス、脱法ハーブなど多種であった。 2.研究期間全体のインタビュー数は、日本人28名、米国人6名の総計34名であった。34名の発言を逐語録に起こし、質的分析ソフト「MAX QDA 2007日本版」を使用して分析した。日本人28名の分析の結果、生い立ちと薬物依存症の始まりから回復にいたるまで分類すると471のコードが得られた。これらのコードを内容の類似性に従い整理した結果、①生い立ち、②薬と出会う前<病気の前兆>、③薬との出会い<薬物依存症の始まり>、④薬を使い続けた日々<進行する薬物依存症>、⑤刑務所かダルクか<治療の場>、⑥家族の回復<回復の糸口>、⑦ターニングポイント<病気と向かい合う>、⑧回復し続けているとき<リハビリの積み重ね>、⑨新しい生き方<再生のとき>の9つの領域に集約できた。米国人6名の分析の結果、生い立ちと薬物依存症の始まりから回復にいたるまで分類をすると57のコードが得られた。これらのコードを内容の類似性に従い整理した結果、①生い立ち、②家族との関係、③薬との出会い<薬物依存症の始まり>、④逮捕されたとき、⑤カウンセラーとの出会い<回復の糸口>、⑥変化、⑦治療を続けることが回復の7つの領域に集約できた。 3.上記で分析したライフストーリーから、薬物依存症者の回復過程は、、①前兆期、②発症・急性期、③回復期(不安定期、ターニングポイント、安定期、社会復帰期)、④終末期、⑤再生の段階が存在していると考えられた。親からの虐待や学校でのいじめによる苦痛を持った子供が思春期に薬物を使用した者が多く、病気の観点から薬物使用予防・治療・回復に向けた取り組みが重要といえる。
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Research Products
(6 results)