2012 Fiscal Year Research-status Report
軽度認知症高齢者のための疼痛評価ツールの海外における汎用性の検討
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23593479
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
田中 和奈 中部大学, 看護実習センター, 助手 (90511155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
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Keywords | 高齢者 / 疼痛評価 / 英国 / マレーシア / 国際情報交換 |
Research Abstract |
日本の高齢者入居施設に入所する軽度認知症高齢者を対象に開発した疼痛評価ツールの海外での汎用性検討を行うことを目的として、英訳版の疼痛評価ツールの導入調査を英国およびマレーシアの老人ホームにおいて実施した。 平成24年5月から一ヵ月間、英国の老人ホーム1施設において、作成した英訳版疼痛評価ツールの導入調査を実施した。平成24年11月にデータの回収および疼痛評価ツールを使用した看護職に対して、疼痛評価ツール使用時の問題点やツール使用による利点についてインタビュー調査を行った。英国における導入調査では、189場面の疼痛評価データを回収し、回収したデータについては、現在分析中である。 また、平成24年8月からマレーシアクアラルンプール市内の老人ホーム1施設において作成した英訳版疼痛評価ツールの導入調査を実施した。平成24年11月にデータ回収および疼痛評価ツールを使用した看護職に対して、英国調査時と同様のインタビュー調査を行った。マレーシアにおける調査では、200場面の疼痛評価データを回収し、現在データを分析中である。 現在までに日本で開発した疼痛評価ツールの海外における導入調査はほとんど行われていない状況である。日本で開発した疼痛評価ツールの海外における汎用性を検討することは、高齢者の痛みの表現方法の文化的背景による相違点を知る上で意義あるものと考える。また、言葉で痛みを表出できない高齢者に対して使用可能な疼痛評価ツールを日本だけではなく海外で生活する高齢者も対象として開発することは、高齢者のQOL向上の一助となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オーストラリアにおける調査を当初は予定していたが、現地の研究協力者の業務が多忙のためオーストラリアの調査協力施設をみつけることが困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
オーストラリアにおける調査は実施困難になったため、現在は米国における導入調査に変更することを検討し、米国オレゴンの老人ホーム施設に対して調査協力依頼を行っていく。 オレゴンの高齢者入居施設の管轄を行っている団体であるOregon Health Care Associationの高齢者入居施設関連のDirectorであるLinda Kirschbaumさんの協力を得て、現在調査協力施設への依頼を実施中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は実施予定であったオーストラリアにおける調査が実施できなかったため、旅費や消耗品購入などの支出が少ない状況であった。そのため、24年度に使用しなかった費用は25年度に実施する予定である、米国への調査依頼およびデータ回収時の旅費として約90万円支出予定である。また、作成した英訳の依頼文書および調査票はイギリス英語で記載されていたため、アメリカ英語に対応するように、調査依頼文書および調査票の英訳の再度見直しを行うため、英訳校正代金として5万円支出予定である。その他の使用計画としては、調査協力謝金として10万円、文具・コピー用紙など物品費として25万円、データ入力など人件費15万円の支出を予定している。
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