2013 Fiscal Year Annual Research Report
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23593480
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
岩瀬 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (80405539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Keywords | 安心 / 精神看護学 / 尺度開発 |
Research Abstract |
精神看護学の多くの教科書や看護の基本的な患者へのかかわりの姿勢を述べている書籍には、患者が安心を得ることができるように関わることは、看護の基本であるなどとよく記載されているが、その安心を定義し具体的にどのように介入するかはあいまいである。安心という概念は看護にとってはとても当たり前なことばとして、理解されているのではないかと考えた。本研究の目的は、安心の概念と、その概念の構造を明らかにし、安心Scaleを開発することである。本年度は、作成した安心Scaleの本調査を行い、内的関連妥当性、構成概念妥当性、基準関連妥当性、信頼性の検討を行い、安心Scaleを完成させることが目標であった。 結果:回収された質問紙は、一般社会人426部(回収率43%)有効回答421部(有効回答率99%)、大学生530部(回収率42%)有効回答527名(有効回答率99%)であった。分析の結果、安心Scaleは、94項目8因子構造であり、因子名は、「おだやかである」「不安・苦痛が少ない」「楽観的志向である」「自分を肯定している」「自分に自信がある」「自分で安心できる能力がある」「対人関係の確かさがある」「社会とつながっている」と命名した。また、安心Scale因子得点と、併存妥当性用1尺度(主観的幸福感尺度)、予測関連妥当性用2尺度(家族サポート尺度、精神的回復力尺度)の3尺度間には、有意な正の相関があり、安心Scaleの妥当性は得られた。安心Scaleは、性別や、社会人と大学生、同居者の有無に関係なく評価が可能であったため、幅広い年齢層にも対応が可能であることがわかった。また、安心は“状態”を示す概念だけでなく、その人の“能力”そして“社会との関係のなかで獲得・育成”されるという広い視野を含めた概念であることが提案できた。
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