2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23600001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 勤 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (50233193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊永 英寿 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (00435645)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 放射性ベリリウム / フラーレン / フッ化物 |
Research Abstract |
原子核壊変のひとつである軌道電子捕獲壊変[EC(electron capture)壊変]は、核位置に存在する軌道電子を核子に取り込んで壊変する現象で、その確率は核位置での電子密度に依存する。代表的なEC壊変核種である放射性ベリリウム(7Be)において、核位置での2s電子の割合は、核位置電子全体の10%程度も占めると予想される。核位置の2s電子は化学形や金属結晶形によっても大きく影響を受け、極端な環境下で2s電子の核子への捕獲を制御できると、EC壊変する7Beの半減期も変化させることができる。本研究テーマでは化学形や金属結晶形、温度等の因子を変えて、実験・理論両面から原子核と軌道電子間の相互作用を引き出し、EC壊変に関わる基礎的な知見を得ることを目的とする研究テーマである。 平成23年度に計画された放射性Be-7内包C70フラーレンやF化合物の作製は平成23年3月11日の震災により加速器の稼働がすべて止まってしまった。現在再立ち上げにより稼働準備中である。また、非密封放射性同位元素を用いる室内で実験を行うが、福島第一原子力発電所の事故によって、管理区域の空調設備を稼働させることができなかった。これらの状況から研究計画は遅れつつあるが、平成24年度には実施可能な状況に漕ぎ着けたい。現在、サンプル作製をコールド実験(放射性同位体を用いない実験)によってテスト中である。特にフッ化ベリリウム(BeF)は潮解性があるために乾燥アルゴンガス中などで処理が必要で、その技術開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年3月11日の震災により加速器の稼働がすべて止まってしまった。現在再立ち上げにより稼働準備中である。また、非密封放射性同位元素を用いる室内で実験を行うが、福島第一原子力発電所の事故によって、管理区域の空調設備を稼働させることができなかった。 しかし、他施設を用いて、放射性Be-7のC70へのインプラントを行い、その収率を求める実験が行われてきた。この実験によりC70フラーレン内に内包されたBe-7の半減期測定実験が実現できる見通しがついた。また、理論的にBeアトムがC70内のどのようなポテンシャルにトラップされているか予測を行い、実験結果と比較する準備が進んでいる。フッ化ベリリウム(BeF)の合成のコールド実験がすすんでいるが、放射性同位体を使った実験はこれからである。 よって、現在の達成度は「やや遅れている」としたが、本年度中にC70内のBe-7の半減期が測定できる見込みである。また、その他の実験(フッ化ベリリウム(BeF)や金属Be)の測定実験も平行して準備が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、非密封放射性同位元素使用施設の稼働の立ち上げを行っている。本年の後半には測定の再開始を予定している。また、他の研究所への装置移設を含めて研究再開を目指すことも考慮する。今年の前半は資料や情報の収集を行い、本実験の進捗に役立てる。 他施設も用いて、放射性Be-7のC70へのインプラント実験を行う予定である。また、理論的にBeアトムがC70内のどのようなポテンシャルにトラップされているか予測を行い、実験結果と比較する。フッ化ベリリウム(BeF)の合成のコールド実験がすすんでいるが、放射性同位体を使った実験を行う。さらに金属内にインプラント実験とそのBe-7の半減期測定も行う予定である。 現在の進捗は「やや遅れている」が、本年度中にC70内のBe-7の半減期が測定できる見込みである。また、その他の実験(フッ化ベリリウム(BeF)や金属Be)の測定実験も平行して準備が進められ、次年度に達成予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は非密封放射性同位元素使用施設の稼働が済んでいる見込みであるので、本実験計画に支障はない。また、他施設(研究所)に検出器を移動して測定も試みる予定であり、計画が少し遅れがちであるが、実験装置のフル稼働によって、半減期測定を実現する。 この年度中にC70内のBe-7の半減期が測定結果を公表する。また、その他の実験(フッ化ベリリウム(BeF)や金属Be)の測定実験も平行して進められている予定なので、この結果も得られる予定である。
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