2011 Fiscal Year Research-status Report
電子蓄積リングからのコヒーレントテラヘルツ光発生の研究
Project/Area Number |
23600008
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
庄司 善彦 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (90196585)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 加速器 |
Research Abstract |
初年度は予定通り、蓄積リング改造用ハードウェアの準備を実施した。1 真空改造; キッカー電磁石用としてセラミックダクトを蓄積リングに導入した。セラミックダクトやRFコンタクターは施設の予備品を流用した。周辺の特殊真空チェンバーは新たに制作し、平成24年2月に設置した。平成24年4月現在で、通常の運転による真空焼きだしを継続中である。2 垂直キッカー電磁石; 空芯1ターンの電磁石、及び電源を新たに設計、製作した。電源は、製作後にトリガー系の安定化の為の改造を実施し、平成24年3月に設置し、オフビームテストでトリガー系を含めた正常動作を確認した。3 蓄積リングパラメーター調整のうち、事前に可能な下記を実行した。結果は NewSUBARU Study Report (NSSR)としてWEB公開している。(3-1)H/Vカップリング補正を実行した(NSSR-11-22, NSSR-11-28)。(3-2)シンクロトロン振動数の振幅依存シフトの調整(NSSR-11-34)。水平キッカーによるテストでは、ベータトロン振動の継続時間が不十分であり更なる調整を必要とする、という結果を得た。 更に次年度に予定していたタイミングシステムの構築を実施した。入射バンプトリガーに対して適切なディレーを入れ、ビーム同期を実現している。この結果は、別件であるAC6極による不安定性抑制実験で確認した(NSSR-12-04)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた3項目と、次年度に予定していた1項目の達成状況を示す。1 真空改造; 達成。2 垂直キッカー電磁石設置; 達成。3 蓄積リング調整; H/Vカップリング補正を実施。ベータトロン振動数の振幅依存シフトの調整を実施。シンクロトロン振動数の振幅依存シフトの調整; ストリークカメラの調整中で未実施。蓄積リングのパラメーター調整は次年度も継続して行う必要がある。4 タイミングシステムの構築; 達成。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は様々な調整を通じて、空間変調の実施とTHz波発生の原理実証に至る。1 蓄積リング改造完了; 前年度から準備したハードウェアを組み合わせて調整し、蓄積リング関係の改造を完了させる。2 蓄積リング調整; 蓄積リングの非線形磁場調整を行う。前年度の結果から、捩れ4極および高次多重極補正の増強の必要が明らかとなった為、これを実施する。更に前年度発見され、原因特定に至らなかったビーム不安定性対策を実施する。3 CSR観測; 垂直キッカーを稼働させて波形バンチ形成を確認し、ショットキーダイオード検出器によって垂直方向THz波発生を確認する。4 THz分光; マイケルソン干渉計を含む分光システムは高橋が京大から移設するが、SPring-8サイトに常駐する池本と森脇が補佐する。年度終わりには調整を終え、光源性能を確認する為の分光を開始する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費の使用計画を修正する。初年度予定物品の購入に講座費等を充てる事で繰越金を出した。これは予定外の下記「1」を購入する為である。1 前年度からの繰り越し金にタイミングモジュール用物品費を加えて、非線形補正用の多極磁場発生を増強する。2 旅費、人件費・謝金、その他は予定通り使用する。
|