2011 Fiscal Year Research-status Report
放射光による準安定リチウムイオンビームの生成と利用
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23600009
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
東 善郎 上智大学, 理工学部, 教授 (50270393)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 量子ビーム |
Research Abstract |
大震災の影響により、2011年度前半においては高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設において予定していた実験は行うことができなかった。年度の大半は主としてインドのGanshyam Purohitウダイプール大学准教授(上智大学客員准教授)と共同でdistorted wave approximationをもちいた散乱計算を行うことに費やされた。特に、準安定リチウムとターゲット原子との非弾性衝突の計算法の開発に主力が注がれた。その成果の1部は、2011年12月に開催されたCDAMOP国際会議において発表された。2012年2月になってやっと高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設において光イオン飛行時間分析装置(ToF)を転用した予備実験を行った。この予備実験において、flight tube およびMCP 前面の電位を通常と逆転(正にする)させることにより、本来の加速領域に導入したターゲットガスから生じたペニング電子を検出するというものである。リチウムイオン生成の後に、イオンは検出器方向に向かい、光電子は反対方向に排除される。時間ゲートをかけることによって、準安定イオンが減速しながらターゲットガス領域に到達してから発生するペニング電子を識別することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災による研究施設(KEK)被害のため、2012年2月まで実験を始めることができなかった。ただし、その間、理論計算は進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度始めにさらにKEKにおける予備測定を行った後、夏に米国Advanced Light Source, Berkeley における本測定を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度研究費の大部分を、米国Advanced Light Source, Berkeley における実験のための人員(研究者自身および大学院生)の旅費および機材運搬費として用いる。
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