2013 Fiscal Year Research-status Report
放射光による準安定リチウムイオンビームの生成と利用
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23600009
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
東 善郎 上智大学, 理工学部, 教授 (50270393)
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Keywords | 放射光 / ペニングイオン化 |
Research Abstract |
前年に米国ローレンスバークレー国立研究所の放射光実験施設Advanced Light SourceにおいてScientaSES400 光電子アナライザーを用いて行った光電子・オージェー電子測定実験のデータ解析を進めた。キセノン原子内殻光イオン化における光電子の再捕獲とオージェー電子のPCI効果について分析と検討を進めた。Xeイオンのオージェー電子スペクトルにおいて高い主量子数にいたるリュドベリ構造が認められたので量子欠損をもとめ理論と比較検討した。さらに、光イオン化閾値に近い領域においてオージェー電子ピークにおける連続的なPCI効果から光電子捕獲によって、離散的なリュドベリ列構造が見られるようになるまでの漸次的な変化の様子を明らかにした。これをPCI効果の半古典論理論と引き合わせて検し、興味深い結果を得ることができた。現在論文を執筆中である。 つくばの高エネルギー加速器研究機構においては上智大学が前年度に新規購入したScienta R4000 高分解能光電子アナライザーを放射光真空紫外ビームラインに運搬設置し、立ち上げ調整実験をおこなった。予備的データとして、希ガスのおよび酸素・窒素の光電子スペクトルを測定し、充分な明るさで高い分解能がでていることを確認した。次の段階としてリチウム金属蒸気を用いた実験を行うために、光電子アナライザー用の新しい高温金属蒸気オーブンの設計作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度において、東日本大震災のため、放射光実験施設等における実験がほぼ全面的に停止したことの影響があった。次年度以降には、米国ローレンスバークレー国立研究所におけるユーザータイムが予想より少なくしか得られなかった。また、同研究所のScienta半球型光電子アナライザーの整備状態がわるく、ビームタイムの大半を装置調整にもちいなければならなかった。25年度においては、上智大学のScientaR4000光電子アナライザーの立ち上げ作業を始めたが、同時にKEK放射光研究施設の運転時間が大幅に減少し、作業の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在設計中の光電子アナライザー用金属蒸気オーブンを作成する。そして高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設において放射光ビームラインに設置された ScientaR4000光電子アナライザーと組み合わせ、リチウムをはじめとする金属蒸気の光電子分光測定実験を行う。良い結果を得てからつぎにターゲットガスを導入して準安定リチウム原子によるペニングイオン化によって生ずる、ペニング電子の検出を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた国際学会のための旅費滞在費、および海外の共同利用実験施設利用のための旅費滞在費等を出費せず。 また、高温金属蒸気オーブンの設計作業の遅れのため、年度内における製作発注を見合わせた。 高温金属蒸気オーブンの製作。国際学会参加および海外共同利用実験施設利用のための旅費。
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