2011 Fiscal Year Research-status Report
フェムト秒電子バンチ生成とその計測及びコントロール
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23600010
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小瀧 秀行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60354974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神門 正城 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50343942)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レーザー加速 / 超短パルス電子ビーム / 電子振動 |
Research Abstract |
超短パルス電子ビームの応用のため、レーザー加速電子ビームの安定化およびそのパルス幅計測を行った。レーザー加速生成の電子ビームは、フェムト秒オーダーの超短パルスであることが、理論およびシミュレーション研究により、予想されている。このレーザー加速電子ビームを利用するためには、安定でコントロール可能である必要がある。さらに、使用する電子ビームのパラメーターを計測する必要がある。アルゴンガス及び窒素ガスをターゲットにすることにより安定電子ビーム生成に成功した。この安定電子ビームを用いて、電子ビームのコントロール及びパルス幅計測を行った。40フェムト秒160mJ、中心波長800nmのチタンサファイアレーザー及び直径3mmのガスジェットを用いて実験行った。まず、電子ビームのプロファイルコントロールを行った。レーザー加速電子ビームが横方向の電場を受けると、電子ビームプロファイルが楕円になる。レーザーの偏光のコントロールにより、電子ビームプロファイルの制御に成功した。電子ビームが横電場を受けているため、この方向と垂直方向にエネルギー分解すれば、エネルギー空間において、この電子の振動が見える。電子ビームのエネルギースペクトルの半値全幅は、振幅の1.5周期であった。電子ビームのエネルギースペクトルを軸方向の位相に変換することができるため、ここからパルス幅を求めることができる。これより求めた電子ビームのパルス幅は、1.7fs(rms)であった。今回、プラズマ中の電子ビームのパルス幅の測定に成功した。今後は、プラズマより離れた位置でのパルス幅の測定を行い、本電子ビームを用いた応用研究への展開していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー加速電子ビームの安定化および電子振動測定によるパルス幅計測を行い、1.7fsの電子のパルス幅を計測に成功した。23年度は、レーザーの電場により電子ビームを振動させ、その電子振動からパルス幅を求め、遷移放射光によるパルス幅測定が24年度、電子ビームのパルス幅圧縮とパルス幅測定が25年度であった。23年度の研究の進展は予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
コヒーレント遷移放射光を用いて、電子ビームのパルス幅計測を行う。電子振動による電子ビームパルス幅計測および遷移放射光によるパルス幅計測を比較する。その後、電子ビームのパルス圧縮を行い、遷移放射光および電子振動測定による電子ビームのパルス幅計測を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究発表のため、海外出張および国内出張を予定していたが、実験の都合で、海外出張および国内出張を1件ずつキャンセルした。そのため、残額が生じた。その残額で、遷移放射光生成のための薄膜、遷移放射により生成される赤外線のスペクトル計測を行うためのフィルター等を購入する。
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