2012 Fiscal Year Research-status Report
フェムト秒電子バンチ生成とその計測及びコントロール
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23600010
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小瀧 秀行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60354974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神門 正城 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50343942)
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Keywords | レーザー加速 / 超短パルス電子ビーム / 電子振動 / 遷移放射光 |
Research Abstract |
レーザー加速生成の電子ビームは、フェムト秒オーダーの超短パルスであることが、理論およびシミュレーション研究により、予想されている。このレーザー加速電子ビームを利用するためには、安定でコントロール可能である必要がある。さらに、使用する電子ビームのパラメーターを計測する必要がある。昨年度までに、アルゴンガス及び窒素ガスをターゲットにすることにより安定電子ビーム生成に成功した。さらに、この安定電子ビームを用いて、電子ビームのパルス幅計測を行った。生成電子ビームを、レーザーパルスの電場で振動させ、その垂直方向にエネルギー分解すれば、エネルギー空間において、この電子振動の測定が可能である。結果、電子ビームのエネルギースペクトルの半値全幅は、振幅の1.5周期であった。電子ビームのエネルギースペクトルを軸方向の位相に変換することができるため、ここからパルス幅を求めることができる。これより求めた電子ビームのパルス幅は、1.7fs(rms)であった。 今年度は、この電子ビームを薄膜にあて生成した遷移放射光の測定によるパルス幅計測を行うための準備を行った。遷移放射光を用いた測定方法は2種類考えられる。1つは、遷移放射光のコヒーレント化する波長を測定する方法である。遷移放射光の波長がパルス幅より長くなるとコヒーレントになる。すると光の強度が変化するため、その変化を調べることにより、パルス幅を求めることができるようになる。2つめは、生成した遷移放射光とプローブ光を非線形結晶中で相互作用させ、出てきたプローブ光の変化を測定する方法である。プローブ光をチャープさせて相互作用させ、出力のスペクトルを測定することにより、パルス幅を求めることが可能である。これらの方法によるパルス幅測定のため、レーザー加速電子ビームの安定化のためのパラメーターを詳細に調べるとともに、上記、パルス幅測定のための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー加速電子ビームの安定化および電子振動測定によるパルス幅計測を行い、1.7fsの電子のパルス幅を計測に成功した。また、遷移放射光を用いたパルス幅測定のための準備を完了した。今後、遷移放射光を用いたパルス幅測定を実施することが可能なので、本研究は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー電場を用いた電子振動による電子ビームパルス幅計測及び遷移放射光を用いたパルス幅計測のための準備は完了した。今後、生成した電子ビームより放射される遷移放射光を用いて、電子ビームのパルス幅計測を行う。レーザー電場を用いた電子振動による電子ビームパルス幅計測および遷移放射光によるパルス幅計測を比較する。その後、電子ビームのパルス圧縮を行い、遷移放射光および電子振動測定による電子ビームのパルス幅計測を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電子ビームのパルス幅計測のための消耗品を購入する。また、結果の報告のための出張費として使用する。
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Research Products
(5 results)