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2012 Fiscal Year Research-status Report

青少年のネットワーク環境における社会的なつながりの認識に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 23601004
Research InstitutionJoetsu University of Education

Principal Investigator

石川 真  上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (60318813)

Keywordsつながり / 振る舞い
Research Abstract

現代の青少年(子ども)は,リアルな社会とネットワーク上の社会という二つの並行した社会の中で成長・発達している。このような現状を踏まえ,本研究はネットワーク上におけるリアルな社会において,電子メール,チャット,電子掲示板などのテキスト(文字)による他者との相互作用過程を通して,青少年がどのようにつながり,関わっていくか,その特徴を探ることを目的としている。本年度は,1.質問紙調査において,メール,SNSの利用における関わり方の傾向について探った。また,2.学習活動として授業時間外の掲示板使用を通して,参加する学習者のコミュニティへの関わりを実験的に検証した。
1の調査を分析した結果,SNSのコミュニティで参加者と関わりを強めたり,維持したりするための重要な振る舞いの要素(つながりのための要素)がいくつか明らかとされた。さらに,このつながりのための要素とSNSへの関わり方の関係性について検証したところ,他者との関係因子では,信頼が重要な要素であるのに対し,共感性因子では,思いやりや頻度が重要な要素であることが明らかとなった。
2の実験において,プレテストおよびポストテストとして実施した質問紙調査の分析結果より,授業中における他の受講者との一体感が高まる傾向を示した。さらに,掲示板の書き込みの回数や他者とのやり取りなどの活動と質問紙調査の結果との関係を分析した。その結果,掲示板に意見を書き込むことに対して,誰からもコメントや返信がない場合は,面倒な活動という認識が強い。その一方で,コメントや返信を受け取るという,自分の意見に対して他の受講者との関わりが見られる場合,掲示板に意見を書き込む活動に対してより肯定的な認識である傾向を示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでの調査,実験実施を通して,ネットワーク上における他者との関わり方,つながりについての傾向を探ることができた。調査で得られた結果の一部については,既に社会心理学会等でポスター発表し,さまざまな情報交換,知見が得られた。こうしたことを踏まえ,次年度以降の研究においても当初の計画通り実験,調査を実施できる状況にある。実験のデザインにおいては,授業の学習活動の場としてのSNSの環境で実施したことにより,実験的な統制を取ることは困難であったが,逆に自由度の高い中でのさまざまな活動,関わりを探ることが可能となり,実験を継続していく上で基礎となる情報が得られた。
以上の点を踏まえ,現在までの達成度はおおむね順調に進展している状況にあると判断している。

Strategy for Future Research Activity

研究関連の情報収集については,継続して取り組む必要がある。国内の諸学会への参加により,関連する研究成果などの情報収集,研究者との交流を含める。とりわけ,ポスターセッション等で個別に質疑応答のできるような場面において,有用な情報を収集し,以下の調査実験に臨んでいく。
質問紙調査においては,これまで得られた成果等を踏まえながら,継続して取り組む。紙媒体による調査のみならず,内容や対象によっては,Webによる調査も実施していく。
実験の方策においては,前年度の成果を踏まえつつ,SNS環境の改善,データの収集方法,対象者(被験者)の選定を行い,より多くのデータを収集できるように推進していく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

繰り越しにより,当初よりも研究費に余裕があるものの,必要に応じて連携研究者の協力が増えることから,計画的な予算の執行をしていく。
人件費・謝金についての使用計画:実験や調査で得られたデータのまとめや分析のために,本務校に在籍している情報教育を専門とする大学院生などの協力を得る必要がある。これらのデータは定量的なデータでない部分も多く含まれ,取りまとめには多くの時間を要すると予想される。研究計画をスムーズに進展させていくためにも,謝金を適切に配分し使用していく。
旅費についての使用計画:研究成果を学会の年次大会で発表する。また,学会の年次大会,研究会,シンポジウム等に随時参加し,研究関連の情報収集する。また,連携研究者と積極的に情報交換を行う。
物品費・その他についての使用計画:調査および実験で使用する消耗品,物品(消耗品扱い),学会参加費等,必要に応じて,適切に執行していく。
年度計画の研究をスムーズに推進していくために,適宜検討しながら,計画的に研究費の執行を進めていく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 親密さの違いによるメールコミュニケーションの振る舞いに関する研究2013

    • Author(s)
      石川真
    • Journal Title

      上越教育大学研究紀要

      Volume: 32 Pages: 25-34

  • [Presentation] 親密さの違いによるメールの振る舞い方に関する研究2012

    • Author(s)
      石川真,平田乃美
    • Organizer
      日本社会心理学会第53回大会
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場
    • Year and Date
      20121117-20121118

URL: 

Published: 2014-07-24  

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