2013 Fiscal Year Annual Research Report
子どもにとっての新しい親密圏に関する研究――学童保育調査を通して――
Project/Area Number |
23601008
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大谷 直史 鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (50346334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 隆一 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (10437519)
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Keywords | 親密圏 / 学童保育 / 生活の場 |
Research Abstract |
子どもにとっての新しい親密圏の可能性を学童保育に探るため、学童保育及び子どもの居場所に関わる実践事例の検討を踏まえて、学童保育所及び指導員を対象とした全国的な質問紙調査を行った。有効回答数は施設調査591票(回収率29.8%)、指導員調査1971票(回収率24.5%)である。その結果、家庭や学校とは相対的に独自な機能を持つ学童保育の可能性を、活動実態と指導員の意識から指摘することができた。 学童保育の活動内容から、規範因子と活動(生活)因子を抽出することができ、これらを用いて「規範型」「生活型」「消極型」の3類型に分類することができた。また指導員の意識からは、この3類型に加えて規範因子・活動因子とも高い「積極型」を析出した。これらのタイプの内、活動性を重視するところに、子どもにとっての新しい親密圏の可能性が示されていると考える。またこれらの活動や意識は、運営形態や子どもの学年構成、指導員の資格の有無などに規定されるとともに、呼称や指導員と子ども・保護者・他の指導員の関係性とも有意な関係性を示していた。 事例検討からは、学校内に存する学童保育の場合に、独自の入り口の存在や外出時の学校への届け出の有無などが、独立性を示す指標になることが仮説的に提起された。また子どもが一時外出(塾など)して戻ってくることが可能なのかどうか、学童保育が指導員にとっても「生活の場」として機能しているのかどうかが、学童保育の固有性を示すことも提起され、質問紙調査により確認された。 自治体間格差の規定要因についても検討を進めたが、当該地域の状況が多様であり、有効な指標を明らかにすることはできず、今後の課題として残された。
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Research Products
(3 results)