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2012 Fiscal Year Research-status Report

離島の子どもの身体観・健康観・医療観と医療環境とのかかわりに関する人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 23601016
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

道信 良子  札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (70336410)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 加賀谷 真梨  国立民族学博物館, 研究戦略センター, 研究員 (50432042)
Keywordsこども / 医療 / 健康 / 離島 / 身体 / 日本 / 沖縄 / 利尻
Research Abstract

本年度は研究期間の2年目となり、申請時の研究目的と実施計画にそって、北海道利尻島と沖縄県波照間島における子どもの健康状態、子どもと親世代の身体観・健康観・医療観に関する調査を行なった。具体的には、(1)利尻島と波照間島の学童期の子ども(小学生児童)の健康状態を把握するために、小学校の養護教諭にインタビューを行い、保健室を利用する児童の主訴や学校保健において日頃気をつけている事を聞き取った。(2)両島の小学校に通う児童のうち、同意を得られた児童とその保護者を対象に身体観・健康観・医療観に関するインタビュー調査を行った。(3)小学生児童が通う学校の保健体育や総合学習の時間の参与観察を行なった。(3)利尻島では、小学生児童とその保護者を対象としてアンケート調査を実施した。調査項目は、生活環境、家族背景(既往歴含む)、予防接種、課外活動、口腔保健、食、遊び、運動及び心の健康の9項目である。(4)学生児童が通う学校の保健体育や総合学習の時間の参与観察を行なった。(5)島の伝統的な医療のあり方を理解するために、両島の高齢者に昔の病気予防や病気治療に関するインタビューを行った。(6)離島における子どもの健康と医療に関する文献のレビューを行った。レビューでは、Meta-ethnographyという手法を用いて、PsycINFO, PubMed において2007年以後の文献から、「こども」「認識」「身体」「健康」「病気」「医療」の語句をもとに、文献検索を行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の調査内容はほぼ計画通り行われ、順調に進展している。しかし、前年度同様、各島における島民や子どもたちの身体観、健康観、医療観の諸相を具体的に明らかにするところまでは達成できなかった。また、フォトボイスは参与観察、インタビュー、アンケート調査に予想以上の時間がかかり、実施できなかった。各島の学童期の子どもと親世代の身体観・健康観・医療観にかかわる調査結果を比較考察し、さらに2島の調査結果を対比することに関しては、まだ十分に達成できていないが、国立民族学博物館共同研究において研究代表者と研究分担者の2名が調査結果の一部を発表し、それぞれの知見を比較する機会を得た。

Strategy for Future Research Activity

次年度は最終年度である。そのため、離島社会の医療環境の調査を行い、これまでの調査結果を離島における小児医療のあり方の検討につなげる。具体的には、利尻島と波照間島それぞれの医療施設の概要と各施設で働く医師、看護師、保健師の人数、勤務体制及び勤続年数について施設の責任者にインタビューを行う。島民の健康維持や病気治療に現代医療とは別の立場から役割を果たしているとされる職能者(祈祷師、薬草師、接骨師など)を対象にインタビューを行い、子どもの健康と離島医療に対する考えを聞く。各島の社会の実態や文化の様相に関しても継続して調査する。また、フォトボイスを含む、こどもを中心とする研究手法を調査の方法論に加える。これらの調査をもとに明らかになったことをふまえて、島の子どもの視点から、いかなる医療環境を整えることが可能かを検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

利尻島と波照間島における医療環境の調査のための旅費、謝金、その他諸経費。文献調査のための文献購入費・コピー費。専門家インタビュー対象者に対する謝金。データ管理のための物品費・消耗品、メンバー間の打ち合わせ会議のための旅費などを予定している。次年度使用額について、波照間島では今年度予定していたが実施できなかった戸別訪問時に使用するアンケート調査、利尻島では調査が行えていない3校におけるアンケート調査およびインタビュー調査に使用する予定である。さらに研究協力者の西谷氏の協力を得て、高齢者に対するインタビューも次年度に繰り越して進めていく。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] ヘルス・エスノグラフィー子どものフォトボイスを事例として2012

    • Author(s)
      道信良子
    • Journal Title

      作業科学研究

      Volume: 6 Pages: 15-19

  • [Journal Article] 「プロセスとしての<共同体>-沖縄・波照間島の「戦争マラリア」をめぐる語りを事例に」2012

    • Author(s)
      加賀谷真梨
    • Journal Title

      東洋文化

      Volume: 93 Pages: 79-97

URL: 

Published: 2014-07-24  

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