2012 Fiscal Year Research-status Report
子どもにやさしい医療を創造するためのホスピタル・プレイに関する研究
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23601028
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
松平 千佳 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (70310901)
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Keywords | 社会福祉関係 / 医療・福祉 / ホスピタル・プレイ |
Research Abstract |
本年度の目的は、専門職としての知識や技能の細分化、専門化が著しく進む中で、高度な医療を提供する日本の小児医療体制の中に、遊びをツールに子どもを支援するHPSをどのように位置づけていくことが効果的かを検証することであった。この目的の下、研究を行い、以下の成果が得られた。 1.39th Annual International Conference The Association for the Study of Play (TASP),26th Conference The American Association for the Child’s Right to Play(IPAUSA)の合同研究大会に参加:遊びに関る研究を進めているTASPと子どもの遊びを推進するIPAの合同会議において、日本における病児の遊びに関する認識についてホスピタル・プレイの視点から発表した(ワークショップ形式)。TASPは、遊びの研究を行う研究者による学会であり、40年の歴史をもつが、病気の子どもに関する研究が発表されることはこれまであまりなく、慢性疾患のある子どもに対する遊び支援の実際は出席者の関心を得られ、よい反応があった。 2.ホスピタル・プレイ研究動向の把握:小児医療の中でHPSが取り組む多職種協働によるホスピタル・プレイ研究に主眼を置き、関連文献を収集した。そして、遊びを中心とした医療者間の連携が病児の療養環境改善に及ぼす影響を明らかにし、ホスピタル・プレイの有効性について、研究発表などを通して社会に発信することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欧米ではすでに遊びをツールに病児を支援する専門職HPSが小児医療の中に定着しているが、日本においても小児医療チームの一員としてHPSを根付かせることがこの研究の目的である。HPSを養成するとともに、ホスピタル・プレイの効果やHPSの必要性を社会に発信していくことにより、目的達成に着実に近付いている。
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Strategy for Future Research Activity |
「子どもにやさしい医療」の基本的な理念となるChildren-Family Centered Careについて、その理念を実現させるための取組を調査する。さらに、日本の各関係学会において研究成果を発表し、またChildren-Family Centered Careの専門家を招聘した研究会を通して、その理念の必要性を広く発信する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月に行った米国出張分の旅費が4月に支払われるため、次年度使用額239,261円が生じた。 次年度の使用計画は以下の通りである。 1.海外HPS専門家に対するインタビュー調査の実施に係る費用 2.アメリカ小児病院の現地調査に係る費用 3.ホスピタル・プレイ関連文献及び資料の収集と整理、分析に係る費用
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Research Products
(9 results)