2013 Fiscal Year Research-status Report
子どもにやさしい医療を創造するためのホスピタル・プレイに関する研究
Project/Area Number |
23601028
|
Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
松平 千佳 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (70310901)
|
Keywords | 社会福祉関係 / 医療・福祉 / ホスピタル・プレイ |
Research Abstract |
1.英国において、HPSETの会長に面会し、日本におけるHPSの現状と課題を報告し、助言をもらった。また、HPSの発達史に関する資料を保管している、Action for Sick Children の図書室において文献を収集した。また、Children’s Play Information Service において、Play Work との接点を調査した。今後、日本において上級HPSを育成することを計画しているが、これらにより、上級HPSに必要となる知識・技術・態度・専門性を明らかにすることができた。 2.7th Biennial International Hospital Play Specialists’ Association of Aotearoa/New Zealand Conferenceに参加し、研究発表を行った。隔年ごとに研究大会を開催するHPSニュージーランドは、HPSを養成する数か国の中の1つであり、本学がHPS養成事業を立ち上げたときにニュージーランドからも当時の会長が視察に来日した経緯がある。研究大会においては、日本におけるHPS養成の発展と、開発したカリキュラムに関する研究発表を行った。また、本学のHPS養成講座を修了したHPSの後藤和恵さんとともに、侵襲性の高い処置を受ける子どもに対するホスピタル・プレイのワークショップを行った。参加者の関心を得られ、よい反応があった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HPSが遊びを使って実現に貢献する理念は、チャイルドフレンドリーな環境づくり、ファミリーセンタードケアである。日本ではプレパレーションだけが一つの技術として先行しているが、ディストラクション(不快から快へと気をそらすための遊び)、治癒的な遊び、個別支援、処置後の遊びなど、HPSの用いる技術は決してばらばらに切り離すことのできないものであることが、研究を通してさらに明確になっている。そのようなトータルな支援方法を持ったHPSの養成が進み、修了生が病院などの現場で実践の中で得た知を事例集にまとめ発行し、さらには職能団体を形成し研究する活動にまで発展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに、小児医療の中に遊びを積極的に取り込もうという考えを浸透させるため、事例の積み上げをおこなう実践的な研究を進める。小児医療が小児に特化した医療を提供し、医療の目的が子どもを生かすことを目的とするならば、遊びを提供するべきかどうか疑問を持つこと自体が、「子ども」に対する理解不足の表れと考え、ホスピタル・プレイの効果を証明し、社会に広く知らしめる研究を進める。また、関連団体と連携を深め、学術的に境界例にあるホスピタル・プレイの日本における基盤づくりを進めていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月に行ったニュージーランド出張分の旅費が4月に支払われるため、次年度使用額428,086円が生じた。 1.EACH国際会議における報告と、チェコ共和国における日本型ホスピタル・プレイ、ワークショップを開催し、チェコにおける療養環境に関する研究をおこなう。 2.セラピューテックな遊びの力とホスピタル・プレイへの応用を研究するために先進事例の研究を進める。 3.ホスピタル・プレイ事例集の発行をおこなう。
|
Research Products
(11 results)