2011 Fiscal Year Research-status Report
子どもの成長を的確に捉える観察視点・評価基準に基づいた保育PDCAサイクルの構築
Project/Area Number |
23601029
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Research Institution | Tokiwakai Junior College |
Principal Investigator |
新谷 公朗 常磐会短期大学, その他部局等, 准教授 (30340871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糠野 亜紀 常磐会短期大学, その他部局等, 准教授 (60342268)
平野 真紀 常磐会短期大学, その他部局等, 教授 (70342201)
荘司 泰弘 常磐会学園大学, 教育学部, 教授 (80154342)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | PDCAサイクル / 発達記録 / 観察項目 |
Research Abstract |
本研究の課題は、1)多様な子どもの特性を理解するための観察記録の項目と評価基準、2)観察記録の分析から指導案の作成へのブリッジ・マネジメント手法、3)上記2 点ついて検証し、保育におけるPDCA サイクルの方法論を明らかにすることにある。 その具体的な方法として、(1) 幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援、(2) 観察記録を基にした「保育計画」、「保育実践」への支援、(3) 保育者の振返りと改善をつなぐ手法の確立、(4) 子ども情報を共有するための総合的な枠組みの構築を目指している。 23年度の当初の計画では、上述の(1)幼稚園教育要領・保育所保育指針を具現化する観察視点の作成と記録作成「Check」の支援と(2)記録「Check」を基にした「保育計画」「保育実践」を行う保育者への支援に重点を置いて研究を進める予定であった。 しかし、本研究への着手が、震災等の影響から当初の予定よりも遅れたことから、全般的に遅れが生じてしまった。(2)のテーマについては、殆ど着手することができなっかた。また、(3)、(4)係るアプリケーションについては、予定より早く開発を進めているが、モバイル端末の普及が著しいことから機器の購入を見合わせることにしたため、予算執行額も当初に計画より大きく下回ることになった。 結果的には、当初の計画より遅れが生じているが、(1) 幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援については、幼稚園、保育園において聞き取り調査を実施し、観察視点と評価基準について検討を進めており、その結果は、発達心理学会で報告した。また、アプリケーションの開発については、プロトタイプを制作し、24年度には、保育系、情報系の学会での報告を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
23年度は、(1)幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援(担当:糠野)と(2)幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした保育計画・環境構成の支援(担当:荘司・平野)について重点的に研究を進める計画であった。 しかし、震災等の影響もあり、当初の計画より研究への取り組みが遅れたため、(1)観察視点と観察基準の作成が予定していた時期よりも遅くれたことにより、(2)保育計画および実践内容を評価するための視点と評価に取り掛かる時期が遅くなってしまった。共同研究者の平野、荘司の予算執行額が「0」になっているのは、そのためである。 また、WEBブラウザを用いた観察記録、分析結果の閲覧、保育計画の立案が行えるアプリケーションの開発については、当初の予定より検討を進めることができが、その結果、データ入力用の端末として23年度に購入を予定していたノートPCについては、急速に普及が進むタブレットPCの方が有効であるとの理由から購入を見合わせ、次年度に購入することとした。 23年度は、計画の開始時期が遅れたことにより、当初の予定よりも遅れた部分もあるが、アプリの開発等は、予定よりも先行して進めることができており、遅れは24年度で回復できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、当初23年度に計画していた、「幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした保育計画・環境構成の支援(担当:荘司・平野)」について研究を進める。 また、PDCAサイクルにおいて、「分析・改善(Action)」は、「保育実践(Do)」、「評価(Check)」を「保育計画の作成(Plan)」に繋ぐ部分として重要であることから、「評価(Check)」で集積されたデータを次の計画に有効に活かす手法とそのために必要な資料をどのように提示するかについて検討する。 データの集積、知識のデータベース化、観察記録の集積、記録の分析を行うためには、データをデジタル化する必要がある。デジタル化の方法として、PDCA サイクルの流れに沿って作業が一貫して行えるよう、WEB上でブラウザを用いて観察記録のデータエントリー、分析結果の閲覧、保育計画の立案が行えるアプリケーションを開発する。 また、集積されたデータを保育者だけでなく、子育てに関わる関係者と共有することで、より多くの知見の集積が可能な枠組みの構築を目指す。有資格者による発達相談( 例えば、キンダーカウンセラー) との情報交換も枠組みに組み入れた情報共有の場の構築を検討する。25 年度以降の幼稚園・保育園での社会実験に向けて、24年度は、枠組みの検討と先行研究について訪問調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度に予定していた、「幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした保育計画・環境構成の支援について」研究を進めるために、保育所・幼稚園での調査・実験等については、前年度の費用を充当する予定である。 また、PDCAサイクルの流れに沿った、観察記録、分析結果の閲覧、保育計画の立案が行えるWEBブラウザを用いたアプリケーションの開発費用として80万円を予定している。また、データの集積・分析用のサーバとして30万円、前年度に予定していたデータエントリー用ノートPCをタブレットPCに変更して購する費用として20万円を予定している。 研究成果の発表を国内の発達心理学会、保育学会で予定している。また、PECERA2012(開催地シンガポール)での発表を予定している。その費用として前年度と合わせて70万円を予定している。
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