2011 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期における適応方略としての自己主張行動に関する研究
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23601030
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Research Institution | Suzugamine Women's College |
Principal Investigator |
岩城 美穂子 (倉盛 美穂子) 鈴峯女子短期大学, その他部局等, 准教授 (90435355)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 社会性 / 乳幼児 / 発達 / 言語 / 愛着 / 保育 / 対人葛藤 / 方略 |
Research Abstract |
本取組の目的は、乳児期の集団保育においてよくみられるかみつき行動を、背景にある言語や社会性の発達及び愛着との関連から捉え、乳幼児期の対人関係における適応性を発達的観点から検討することである。 調査1 乳幼児期の子どもの愛着と言語・社会性発達を測定する尺度の選定対人葛藤場面の解決方略に関与すると予想される、子どもの愛着の状態と言語・社会性発達を測定する尺度を選定した。妥当性及び簡便性を重視した結果、言語・社会性発達に関しては、「KIDS(キッズ) 乳幼児発達スケール」を、愛着に関しては「乳幼児-保育者間の愛着測定 乳児院版(立元・西山・田爪, 2000)」を使用することにした。 調査2 乳幼児用 対人葛藤場面解決方略のチェックリストの作成保育園及び乳児院に所属する0~3歳の乳幼児を対象に、対人葛藤場面の事例を収集し、保育士の先生方が簡便に使うことができる対人葛藤場面チェックリストを作成した。チェックリストは、葛藤場面の発生原因、状況、解決方略を選択式で回答する形式である。 乳児期の子どもの言語・社会性発達と愛着状態が対人葛藤場面の解決方略とどのように関連するのかについて、対象者(保育園・乳児院)、愛着の程度、発達測度(言語発達、社会性)を独立変数、解決方略(頻度、内容)を従属変数として因果関係を求めることにより、乳幼児期の子ども達の対人葛藤場面解決方略が身体的なものから言語的なものへシフトするメカニズムを明らかにすることができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していた愛着及び言語・社会性発達に関する評定尺度の選定と、対人葛藤場面解決方略のチェックリストの作成を概ね完了できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、乳児期の子どもの言語・社会性発達及び愛着の状態と対人葛藤場面の解決方略との関連を検討する 調査1 乳児期の子どもの言語・社会性発達及び愛着の査定 H市の保育園に在籍する生後12ヶ月~36ヶ月児計70名、H市の乳児院に在籍する生後12ヶ月~36ヶ月児約40名を対象に「KIDS(キッズ) 乳幼児発達スケール」と「乳幼児-保育者間の愛着測定 乳児院版(立元・西山・田爪, 2000)」を実施する。発達検査は1年に2回実施する。 調査2 対人葛藤場面での解決方略との関連調査1を依頼したH市保育園乳児クラスの担当保育士及びH市の乳児院の担当保育士に対人葛藤場面解決方略のチェックリストを依頼する(1年間に2回)。記録を元に、解決方略の内容・頻度をデータ化し、発達的変化を捉える。 新たに保育園1園、乳児院1園、計2園が、研究協力園となる可能性が高い。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
概ね、予定通りであるが、新たに保育園、乳児院2園が研究対象園となるため、データ整理に必要な物品や謝金が当初より必要となる。具体的には、データ整理するためのパソコンや謝金が必要となる可能性がある。
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