2012 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期における適応方略としての自己主張行動に関する研究
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23601030
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Research Institution | Suzugamine Women's College |
Principal Investigator |
岩城 美穂子(倉盛美穂子) 鈴峯女子短期大学, その他部局等, 准教授 (90435355)
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Keywords | 社会性 / 乳児 / 発達 / 言語 / 愛着 / 保育 / 対人葛藤 / 方略 |
Research Abstract |
乳児同士でいざこざがおきると、子どもたちは言語的主張行動よりも身体的行動を用いることが多い。発達ととともに、身体的主張行動から言語的な主張行動へシフトしていくが、それらの発達メカニズムは明らかでない。そこで、本取組は、乳児期の子ども達のいざこざ場面での身体的主張行動及び言語的主張行動と、子どもの言語面及び社会面での発達、そして、子どもと保育者との愛着状態との関連を探り、身体的方略から言語的方略へのシフトを促進させるメカニズムを検討した。 調査は、保育園の1歳児と2歳児クラスの担当保育士に、乳児同士のいざこざ場面の記録と、子どもの「理解言語」「表出言語」「対子ども社会性/友達との協調行動」「対成人社会性/大人との関係」に関する発達査定、そして、担当保育者との愛着関係(「保育者に対する信頼・良好な関係」「保育者に対する依存性」「活動性・社会性」)の査定を依頼した。 調査の結果、いざこざ場面に参加することが多い子どもは、理解言語、表出言語がある程度発達しており、保育者に対する信頼・良好な関係が築かれていることがわかった。また、身主張行動が特に多い子どもは、保育者に対する依存性が高く、保育者に自分に関心をもってもらいたい気持ちが高い傾向が強いこと、言語的主張行動が多い子どもは、保育者と離れて活動できることや、保育者に対する信頼性が高いことがわかった。以上より、身体的主張行動から言語的主張行動へのシフトには、保育者との愛着関係がKEYであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に予定していた保育園を対象とした調査を実施し、いざこざ場面での身体的主張行動及び言語的主張行動と、子どもの言語及び社会発達、愛着との関連を検討することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、乳児院に在籍する子どもたちを対象に、いざこざ場面での身体的主張行動及び言語的主張行動と、子どもの言語及び社会発達、愛着との関連を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
概ね予定通りであるが、新たに2つの乳児院が研究対象園となるため、データ整理に必要な物品や謝金が当初よりも必要となる。
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