2011 Fiscal Year Research-status Report
画像処理用並列演算素子に最適化された粒子線線量分布計算法の開発とその精度評価
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23602003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
榮 武二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60162278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 博明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30354913)
安岡 聖 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50200499)
照沼 利之 筑波大学, 医学医療系, 助手 (40361349)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / 治療計画 / 3次元線量分布計算法 / 並列処理 / GPU |
Research Abstract |
陽子線治療に使用できる粒子線3次元線量分布計算プログラムを開発し、画像処理用並列演算素子での計算速度の評価を行った。最初に、従来のプログラム手法で書かれたコードを、画像処理用並列演算素子で実行可能なコードに変換し、その動作が変わらないことを確認した。実施計画に従い、並列化の効果について分析を行い、計算方法の調整を行った。計算の過程で現れる数値的な不安定性の調査を行い、3次元補間に使用する式を調整して、安定な計算が実現できる方法を採用した。コードの中で、並列処理に適さない部分の計算法を再検討し、改良した。現時点では、計算法の最適化は十分ではないが、十倍以上の高速化が可能であることが判明した。陽子線の線量分布の実測データとの比較を行い、ビームの広がりの効果、散乱の効果が正確に評価できるかを調べ、各効果に対する補正が必要であるかの検討を行った。結果、ビームの広がりについては、新しく導入した補間法が安定に機能しており、広がりの評価も正確に計算できることがわかった。散乱の効果については計算条件により補正パラメータが必要であることが判明した。補正の方法については、更に検討し、系統的な方法を確立する必要がある。今後、高速化の調整を更に進めるため、計算の効率を落としている処理がどの部分であるかの分析を行う。画像処理用並列演算素子の持つメモリーの構造に合わせ、計算効率が向上するアルゴリズムの検討を行い、今後の最適化を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3次元線量分布計算を行うプログラムの開発を行い、更に以下の作業を行った。(1)3次元線量分布計算プログラムのLINUX環境への移植、この作業により、通常の処理系で作成されたプログラムを、画像処理用並列演算素子で実行できるように書き換え、LINUX環境で並列処理ができるように変換した。(2)ユーザーインターフェース部分の移植と、計算結果の確認、実行速度の計測、移植されたプログラムのユーザーインターフェース部分の書き換え、計算結果が元のプログラムと同じであることの確認を行った。実行速度の測定を行い、11.7倍の結果を得た。(3)条件分岐など、高速化の障害となる部分の調整、高速化のための調整を行い、実行速度が通常の処理の20倍以上になることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
医療画像データを使った線量分布計算システムの構築を行い、その性能を調べる。GPU内蔵のシステムと既存の陽子線治療計画システムのデータが相互に使用できる仕組みを実現する。これにより、人体内の陽子線の線量分布計算の精度と速度の評価を行う。人体内での線量分布評価は実測できないため、計算で得られた照射条件でファントムに照射した場合の分布を再計算し、この分布の測定により精度評価を行う。総合的な性能からアルゴリズムの調整を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
GPU処理系に必要なハードウエア、実験用機器材料、ファントム材料、回路部品の購入を行う。謝金等により、研究補助依頼、役務作業(プログラム製作)を行う。プログラム製作としては、この年度の依頼により、高速化されたシステムの大枠を完成させる。契約により、プログラムソースを申請者が直接改造でき、次年度以降の調整は、申請者自信により可能となる。
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Research Products
(3 results)