2011 Fiscal Year Research-status Report
動画対応ディジタルX線画像装置による筋肉ダイナミックイメージング法の開発
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23602006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
真田 茂 金沢大学, 保健学系, 教授 (50020029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 利恵 金沢大学, 保健学系, 助教 (40361985)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アキレス腱 / X線動画イメージング / スクリーニング動態検査 |
Research Abstract |
本年度は,アキレス腱の動態X線イメージングに関する基礎的検討を主として行った.すなわち,正常男性1名を被験者として,X線の照射条件およびアキレス腱の伸展運動法を検討した.また,コンピュータを用いた画像解析処理による,足関節の可動域計測法とKager's triangleの自動認識法について検討した.Kager's triangleとは足関節とアキレス腱との間にある三角形の脂肪組織の領域で,アキレス腱の損傷があるとその形状が変形したり消失したりすることが知られている. それらの検討の結果,まずX線動画イメージングの際のX線照射条件は,管電圧50kV, 管電流・時間積0.4mAs, フレームレート3fps, Grid(-) , 焦点‐撮像面距離100cmとして,5秒間で15画像を撮像することとした.このときのX線被曝線量は,従来の静止X線画像の撮像時と比較してほぼ同等程度であった.5秒間の撮像時間中に,(1)つま先立ちをするように足関節背面(アキレス腱)を伸展させる,(2)足底面は撮像面に接したまま膝を前方に屈曲することによって足関節背面(アキレス腱)を伸展させる,の2通りの動態撮像法が,被験者に負担の少ない安定した体位であった.また,コンピュータ画像解析法については,プロトタイプの自作ソフトウエアによって,関節可動域の自動計測やKager's triangleの自動認識が概ね良好に実施できた. これらは,今後,症例数を増やしたり,さらに解析処理の精練化をするために意義ある成果であり,また,次年度以降の他部位の筋肉イメージングや解析法の初期バージョンとして重要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で開発中のX線動画イメージングによるアキレス腱の評価結果と超音波画像法による比較検討は実施できなかった.しかし,撮像方法の詳細な検討とアキレス腱の可視化については,予定よりも良く進展したと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
1.アキレス腱イメージングについて正常症例を増やし,できれば傷害例も含めて解析結果の精度を検証する.2.たとえば,手関節,肩関節,股関節など,本研究課題と併行して進めている骨部の動態X線検査法の開発研究における症例群を対象として,その関節周囲の筋肉イメージングの検討を行う.3.この筋肉イメージング法と既存の超音波検査法などとを比較検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.上記の今後の研究に必要な備品,消耗品類を購入する.2.次年度使用額(317,415円)は,他法(超音波,MRなど)との比較検討のための消耗品類を購入する.3.成果公表のための学会発表(国内,海外),論文発表などの費用に充てる.4.その他,必要に応じてデータ整理などの補助のための謝金に充てる.
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