2012 Fiscal Year Research-status Report
動画対応ディジタルX線画像装置による筋肉ダイナミックイメージング法の開発
Project/Area Number |
23602006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
真田 茂 金沢大学, 保健学系, 教授 (50020029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 利恵 金沢大学, 保健学系, 助教 (40361985)
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Keywords | アキレス腱 / X線動画イメージング / スクリーニング動態検査 |
Research Abstract |
筋肉や腱の機能評価は障害の程度やリハビリテーションの評価に有用である.動画対応ポータブルFPDの特徴を活かすことでアキレス腱の動態情報を簡便に取得可能ではないかと考え,簡易X線動態検査法の開発を推進している.本年度は,簡便なアキレス腱の形態・機能診断を目的として,アキレス腱のX線動態撮影法を確立し,得られた動態情報についてMRI画像および超音波画像と比較することで,提案手法の臨床応用の可能性を検討した.方法:健常男性3名を対象に,足関節を最大底屈から最大背屈まで屈曲した時のアキレス腱のX線動態画像を取得した.その取得画像と同じく取得した超音波画像やMR画像とのKargar triangleの形態を比較,検討した.結果:屈曲角度に応じたKargar triangleの面積の変化についてX線画像とMR画像で同様の傾向が見られた.このX線動態撮影法で自然な運動下での足関節可動域と屈曲角度に応じたアキレス腱の形態情報を取得できることを確認した.今後の課題としては,症例数の増加や病的症例を対象とすることが挙げられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波検査法との比較検討を実施し,さらにMRI検査法による結果とも比較検討した.その結果,簡便なアキレス腱の形態・機能診断を目的とした新しいX線機能イメージング法として有用であることが示唆された.詳細は以下のとおりである. 「方法」 1.撮影対象及び使用機器 本研究は本学の医学倫理委員会の承認を得て行われ,健常男性3名(22歳2名,60歳1名)を対象に撮影を行った.また,被験者には撮影に関する十分な説明を行い,同意を得た.使用機器を以下に示す.(1)動画対応FPD搭載X線ポータブル装置:試作機,キヤノン,(2)オープンMRI(0.4 T): APERTO Eterna,日立,(3)超音波画像診断装置:i STYLE,東芝 ,(4)Image-J 2.画像の取得 X線撮影:撮影条件は56 kV,0.32 mAs,撮影距離120 cm,フレームノート5 frame/sec,4秒間撮影で最大底屈から最大背屈までのX線動態画像を取得した.この条件での一回撮影の被ばく線量は0.2 mGyとなった.MRI:Kargar triangleを描出するため,脂肪組織が高信号となるT1強調像にし,最大底屈から最大背屈まで屈曲角度を5段階に分けて撮像した.超音波撮影:7.5 MHzのプローブを使い,最大底屈から最大背屈までの縦断動態像を取得した. 3.計測内容 取得したX線画像とMR画像を用いて,Kargar triangleの面積と足関節の屈曲角度を計測し,屈曲角度に応じた面積の変化や足関節の可動域を観察した.計測はフリーソフトウェアImage-Jを用いた. 「結果」MRI画像の方がKargar triangleの面積が広いという傾向があるが,屈曲角度による面積の変化については,両画像でほぼ同様の傾向が見られた.また,X線画像の方が底屈・背屈共に最大角度がより大きく計測された.
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Strategy for Future Research Activity |
1.アキレス腱イメージングについて,できれば病的症例を含めて解析結果の精度を検証する. 2.本研究課題と併行して進めている骨部の動態X線検査法の開発研究における症例群を対象として,その関節周囲の筋肉イメージングの検討を行う. 3.これらの結果を纏めて,学会発表および論文発表によって,研究成果の広報を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.上記の今後の研究に必要な消耗品類を購入する. 2.成果公表のための学会発表(国内,海外),論文発表などの費用に充てる. 3.その他,必要に応じてデータ整理などの補助のための謝金に充てる.
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