2013 Fiscal Year Annual Research Report
動画対応ディジタルX線画像装置による筋肉ダイナミックイメージング法の開発
Project/Area Number |
23602006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
真田 茂 金沢大学, 保健学系, 教授 (50020029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 利恵 金沢大学, 保健学系, 助教 (40361985)
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Keywords | 放射線技術科学 / リハビリテーション科学 / X線動画像 / 筋肉イメージング |
Research Abstract |
骨折の治療においてリハビリテーションは非常に重要である.本年はX線イメージングにおいて下腿筋の動きを骨画像と共に可視化し,筋肉の形態,動態異常等を評価する方法を検討した. 方法:下腿三頭筋内側頭挫傷の1例を含む3症例を対象とし,FPD装置を用い,下腿三頭筋,脛骨,腓骨を撮影対象とし,下腿骨側面像を撮影する条件で撮影した.下腿三頭筋は主に足関節の底屈を行う筋肉であるため,足部を底屈から背屈状態にさせることで下腿三頭筋が収縮する.一脚につき,下腿三頭筋を収縮させる5つのポジショニング(足部を0度,20度,40度,60度,90度にするポジショニング)で撮影した.撮影条件は以下のとおりである.管電圧:55[kV],管電流時間積:8[mAs],撮影距離:115[cm]. 撮影した一脚5枚の画像について,筋の収縮の様子のプロファイルを解析した.解析には画像解析ソフトImageJを用いた.腓骨遠位端を基準点とし,そこから腓骨に沿うようにラインを引き,1度ずつラインを移動していき,それぞれ下腿三頭筋の収縮がみられると思われる部位(ラインの位置が1000~1800ピクセルの間)のプロファイルを解析した. 結果とまとめ:足部を底屈から背屈状態にすることによって,下腿筋部のプロファイルの形状が変化したことから,筋肉の収縮の程度がX線透過性を変化させて濃度プロファイルの違いに表れたのではないかと考える.また両側健常の対象では各プロファイルは左右同様であったのに対し,下腿三頭筋内側頭挫傷の患側の足は足部を底屈させたとき,濃度プロファイルに健常側とは異なったピークがみられた.ピークが超音波画像で確認した挫傷部分とほぼ一致しており,収縮異常がプロファイルの変化に表れたものと考えられる.X線イメージングによって,筋肉を可視化できることが示唆された. なお,昨年度実績(アキレス腱の評価)の課題については補完研究として実施中である.
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