2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23602007
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 信州大学, 理学部, 教授 (70154995)
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Keywords | PET / コンプトン |
Research Abstract |
PETシステムを構成する最小単位として、LSFあるいは LYSO無機シンチレータを用い、光センサーとして種々のピクセル数を有する1mmx1mmのMPPC1お用いた単位素子の基本性能の追求を行った。特に昨年度明らかにした、時間分解能の高性能の要員を探る研究を主に行った。 異なるピクセル数を有するMPPCを複数用いて最適な組み合わせを検討した。その結果、100ピクセルでは、安定稼働電圧領域が狭く実機に不向きな事が明らかになった。市場には出ていない試作品である2500ピクセルのMPPCを浜松ホトニクス社と共同開発し、400、1600ピクセルのMPPCとの比較テストを行った。その結果どのピクセル数でも信号のデジタル化のしきい値を下げ、ゲインを最大近くにすれば、高い時間分解能を有することが分かった。また同時にエネルギー分解能も最高性能を示した。 これらの結果、1mm角のMPPCで3mm角シンチレータの断面に接合して、光量が減る事を考慮しても、十分な時間性能とエネルギー分解能を有する条件を設定できることを示した。 さらに3x3の3mm角シンチレータのマトリクスを製造し、コンプトンペットのために基本性能試験を行った。約25%の事象を救う事に成功した。この値はシミュレーションで検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、2年次に3x3のマトリクスを製作してコンプトンペットの研究をおこなうことになっている。本年度の研究のなかで着実に実施されており、おおむね順調の判断ができる。 時間分解能の性能が世界最高記録を有し、その理由を明らかにする事を余儀なくされ、時間を必要とした事は本年度の誤算であったが、実験によりこれを実証、検証し、説明を加えた。
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Strategy for Future Research Activity |
3x3マトリクスシステムの性能検証が目標であり、これが理解できれば、コンプトンペットの基本性能である、被曝線量の軽減、あるいは検査時間の短縮に成功することになる。 同時にシミュレーションによる検証と予言は重要である、着実にマトリクスを大きくしつつ、実験結果を数値的に検証する事が重要である。現在の3x3のマトリクスを2層に展開する方法が一つ。あるいは5x5のマトリクス化がもう一つの拡張である。読み出し回路の実行可能性が判断基準となる。これは将来のペットシステムでも同様の問題を抱えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
読み出し回路を3x3で2層に展開する場合、18チャンネルの同時読み出し回路が必要である。一方5x5マトリクスでは、25チャンネルが必要で、経費的にどこまで可能か、が分かれ目となる。読み出し電子回路の多チャンネル化の単位チャンネル価格に依存する。本年度の研究では3x3マトリクスの製作と読み出しに成功した。次年度の方向性は上記2つの可能性があるが、それは減債シミュレーションで検討中で、その結果次第で、3x3x2層案で実験を行うべきか、5x5x1層で実験を行うべきかを決めて読み出し回路の予算執行を行う。すなわち研究の発展の方向性の判断に従い当初の計画とは3割値度の電子回路に掛ける経費が増す可能性があるため次年度使用額が生じた。
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