2012 Fiscal Year Research-status Report
マルチモーダルイメージングによる小動物生体機能定量評価システムの開発
Project/Area Number |
23602009
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 均 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00325292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅史 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
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Keywords | 分子イメージング / マウス / 無麻酔測定 |
Research Abstract |
昨年度に開発した無麻酔測定用固定デバイスを用いたイメージング実験を行い,固定用デバイス自体のいくつかの問題点を発見した.これらの問題点は手術手技の困難さおよびマウスの生活環境の悪化をもたらしていたため,早急な対処が必要となった.そのために,本年度はこのデバイスの改良に注力した.結果として,マウス頭蓋骨頭頂部に固定するアタッチメントは従来通り板状であるが,形状をマウスの頭部に沿うように変更すると共にどの方向からでもピンセット等で確実に確保できるようなホールを配置したものとなった.これにあわせて,アタッチメントを固定するデバイス側の形状変更を行うと共に,マウスの空間を最大限確保した.これらにより,手術手技が比較的容易になったとともに,マウス固定時の操作が楽になった.またアタッチメントによりマウスの視界が遮られることがなくなったために生活環境は向上したと考えられた. この形状を変更したデバイスを用いて18F-FDGの脳内分布の評価を行ったが,従来のデバイスと比較してSUV値において有意差がないことがわかった.また,吸収補正および散乱補正については,従来と同様に吸収補正は必要であるが散乱補正は必要ないことが示唆された.これにより,本改良によるPET/CTイメージングへの影響がないことが示された. また,本デバイスを用いて麻酔を行った状態で,MR画像の取得を試みた.マウス頭部用表面コイルを用いると,頭頂部の信号が減衰してしまい腹背方向の感度ムラが非常に大きいことがわかった.これは,アタッチメントの存在で特の頭頂部がコイルと離れてしまい,このために感度ムラが生じたことが示唆された.そのために,本デバイスを用いる場合は表面コイルの形状が平面であるデュアルチューンコイルを用いるべきであると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は昨年度に開発したデバイスを用いて,複数のイメージング装置を用いた測定を行う予定であった.しかし,デバイスの不具合が生じたことでその対応に時間がかかってしまい,本来行うべきイメージング測定を十分に行う事ができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの無麻酔測定用デバイスが完成したので,本年度はマルチモーダルイメージングによる生体機能の定量評価に供与できるかについて評価を行う.所属施設が変わったが,従来施設と同等以上のイメージング装置(PET/SPECT/CT, MRI, CT, IVIS, US)が設置されているため,これらを用いた特に麻酔薬が脳機能に与える影響について評価を行う.PETではFDGの動態,SPECTおよびMRでは脳血流,IVISでは糖の動態を測定し,これらを相互比較して無麻酔測定の有用性を検証する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究費を用いて,手術用の器材や器具などを揃えることができた.また,次年度の実験遂行に必要十分なアタッチメントおよびデバイスを製作することができたため,次年度はイメージング実験を集中的に行う予定である.次年度の研究費は,そのほとんどを実験動物購入および飼育,イメージングに使用する予定である.
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