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2012 Fiscal Year Research-status Report

新しいバイオマスとしての原生動物ミドリゾウリムシの利用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23603004
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

細谷 浩史  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90183102)

Keywords共生 / 遊離糖 / ミドリゾウリムシ / 共生藻
Research Abstract

今年度までに、ミドリゾウリムシに含まれる遊離糖の濃度を増加させる事ができる培養条件を明らかにした。また、各種クローン化共生藻(ミドリゾウリムシから取り出し、クローン化した共生藻)それぞれにおける遊離糖の生産能力を調べ、個々のクローン化共生藻を、共生藻除去ミドリゾウリムシに再共生させ、再共生能力の有無を定量した。その結果、クローン化共生藻の糖生産能力と、それらの共生藻のミドリゾウリムシへの再共生能力の間に直接的な関係は認められないことが明らかになった。
また、ミドリゾウリムシ体内の共生藻密度は、一匹あたり400個程度の共生藻が共生している事実を元に計算すると、10の10乗個共生藻/mlの高密度になる。この密度での共生藻の糖生産能力を液体培養系でミミックさせるために、クローン化共生藻の密度を様々に変化させた(10の3乗個~10の8乗個共生藻/ml)共生藻液体培養系を作製し、まずその増殖速度の検討を行った。その結果、10の7乗以上の密度では、共生藻は液体培養を開始しても増殖しなかった。また、ミドリゾウリムシ体内における共生藻の状況を考慮し、原形質流動を行っている間期の状態を再現させるため、共生藻の培養を振とう条件下で行った。その場合、静置条件下にくらべ振とう条件下で共生藻の増殖は抑制される傾向にあることが明らかになった。共生藻密度を10の9乗以上に高密度にさせ液体培養を行うことは、現在の研究室の培養規模から考え不可能であり、現時点での最高密度(共生藻培養の)は、実際のミドリゾウリムシ体内における共生藻密度の100分の1に留まっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ミドリゾウリムシ体内における共生藻密度が、10の10乗個共生藻/mlという高密度であり、しかもその状況を実験室での液体培養で実現させるためには、現在到達している最高密度である10の8乗個の100倍の規模で共生藻を培養させる必要がある事が明らかになった。これらの2点は、予想外の事実であり、現在どのようにして大量の共生藻を集めることができるか検討中である。現時点の10の8乗個の密度でも、共生藻の培養液は相当な粘ちょう状態であり、さらに100倍の高密度が実現できても、培養液の流動性はほとんどないものと予想される。その状態で、ミドリゾウリムシ体内で観察される「原形質流動」を培養系で実現させることは不可能であろう。H24年度は、いくつかの成果を挙げられたと同時に、研究を進める上でいくつかの予想外の事態が明らかになった。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、現在確立されている範囲での共生藻密度条件で、それぞれ共生藻がどのような糖生産能力を発揮しているか、個々の培養系(10の3乗個~8乗個共生藻/mlの範囲)での糖生産能力の定量を行う。
共生藻の培養条件の検討と併せて、ミドリゾウリムシの増殖条件の検討も行っている。その過程で、ミドリゾウリムシを大量に増殖させ、今までの行われていないミドリゾウリムシの「ゲノム解析」を開始可能な状況になった。本研究が開始された時点では予想されていなかった研究の進展である。国立遺伝学研究所との共同研究に採択され、ミドリゾウリムシのゲノム解析を本格的に開始している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

申請書に記載の通り、ミドリゾウリムシの培養や共生藻の培養のための培地、培養容器などの購入を実施する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Phosphorylation of myosin II regulatory light chain controls its accumulation, not that of actin, at the contractile ring in HeLa cells.2012

    • Author(s)
      Kondo T, Itakura S, Hamao K, Hosoya H.
    • Journal Title

      Exp Cell Res

      Volume: 318 Pages: 915-924

    • DOI

      10.1016/j.yexcr.2012.02.009

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Diphosphorylated but not monophosphorylated myosin II regulatory light chain localizes to the midzone without its heavy chain during cytokinesis.2012

    • Author(s)
      Kondo T, Isoda R, Uchimura T, Sugiyama M, Hamao K, Hosoya H.
    • Journal Title

      Biochem Biophys Res Commun.

      Volume: 417 Pages: 686-691

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2011.11.151

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ミドリゾウリムシの増殖を制御するレタス培地中に存在する因子の解析

    • Author(s)
      山新良彦、平木英志、鉄川公庸、安達由加、松原康介、濱生こずえ、細谷浩史
    • Organizer
      日本原生動物学会
    • Place of Presentation
      兵庫県立大学書写キャンパス

URL: 

Published: 2014-07-24  

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