2013 Fiscal Year Annual Research Report
窒素固定型シアノバクテリアを利用したバイオマス生産の基盤研究
Project/Area Number |
23603005
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
得平 茂樹 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (90548132)
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Keywords | バイオマス / バイオテクノロジー / ゲノム / 生体機能利用 / 応用微生物 |
Research Abstract |
光合成効率の高いシアノバクテリアは、植物に替わる新たなバイオマス資源として注目されている。しかし、現実には物質生産に利用されている例は少ない。その原因のひとつが、窒素要求性が高く、その培養に大量の窒素肥料を必要とすることにある。そこで本研究では、窒素肥料を全く必要としない窒素固定型のシアノバクテリアを用いたバイオマス生産の基盤技術を開発する。バイオ燃料の原料として利用される糖や脂肪酸の効率的な生産系を、遺伝子工学と代謝工学により、窒素固定型シアノバクテリアAnabaena sp. PCC 7120(アナベナ)において構築する。 本研究では、代謝改変に代謝系遺伝子の発現を制御する転写因子を利用する。代謝の制御に関わる転写因子は、その代謝系を構成する複数の遺伝子発現を一括して協調的に制御し、代謝系全体を効率的に調節する。昨年度までにグリコーゲンと解糖系を制御する2個の転写因子NrrAとSigE、さらにスクロース合成を制御する転写因子OrrAを同定した。本年度は、OrrAの機能解析を進めると共に、あらたにペントースリン酸経路を構成する遺伝子の制御系の解明に取り組んだ。 orrA遺伝子破壊株を用いたトランスクリプトーム解析により、OrrAがスクロース合成だけでなく200個以上の遺伝子の発現制御に関わることが示された。また、orrA遺伝子の過剰発現により、スクロース合成量を増加させることに成功した。さらに、ペントースリン酸経路を構成するgnd遺伝子の発現を制御する転写因子を同定した。その転写因子の過剰発現により、ペントースリン酸経路の活性を抑制し、窒素固定活性を低下させることにも成功した。以上のように、代謝系を制御する転写因子を利用して、アナベナの代謝フラックスを改変することに成功した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Attachment of phycobilisomes in an antenna-photosystem I supercomplex of cyanobacteria.2014
Author(s)
Watanabe, M., Semchonok, D.A., Webber-Birungi, M.T., Ehira, S., Kondo, K., Narikawa, R., Ohmori, M., Boekema, E.J., Ikeuchi, M.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
Volume: 111
Pages: 2512-2517
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Genome-wide and heterocyst-specific circadian gene expression in the filamentous cyanobacterium, Anabaena sp. PCC 71202013
Author(s)
Kushige, H., Kugenuma, H., Matsuoka, M., Ehira, S., Ohmori, M., Iwasaki, H.
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Journal Title
Journal of Bacteriology
Volume: 195
Pages: 1276-1284
DOI
Peer Reviewed
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