2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会的排除地域の変容と包摂の試み――都市型部落と公営住宅の比較研究
Project/Area Number |
23610012
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Research Institution | Buraku Liberation and Human Rights Research Institute |
Principal Investigator |
妻木 進吾 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), その他部局等, 研究員 (60514883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 道彦 大阪市立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (00116170)
内田 龍史 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), その他部局等, 研究員 (60515394)
堤 圭史郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (70514826)
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Keywords | 社会的排除/包摂 / 被差別部落 / 公営住宅 / 国勢調査 |
Research Abstract |
日本社会における社会的排除の集積地であると同時に、社会的包摂の取り組みが集中的になされてきた地域として被差別部落を取りあげ、その社会的排除/包摂の実態と近年の変容を、国勢調査小地域集計やインテンシブなコミュニティ・スタディの手法から、一般公営住宅街との比較をおこないつつ実証的に把握する--これが本研究の目的である。 本年度は本研究事業の最終年度である。本研究においては、中間年までに過去数十年間にわたり実態調査がなされてこなかったいくつかの被差別部落の現状と変化を実証的に把握するなどの重要な成果を得てきたが、研究が進展する過程で、本研究が用いてきた小地域集計による実態把握という手法が適用困難な被差別部落が少なくないことが明らかになるなど、困難さにも直面することになった。平成24年度後半以降、大阪府の被差別部落・公営住宅街の住民の生活実態をより詳細かつ時間の幅を持って把握可能な国勢調査データの利用できることになったため、小地域集計を利用したこれまでの研究成果の上に、当該データを活用した実態把握に研究方法の重点を移すことになった。本年度は、当該データを用いた実態把握のためのデータ整理、分析手法の確立に向けた作業を、研究会を繰り返し開催しながら着実に進め、その上で分析を行ってきた。結果、ごく一部の被差別部落を除いて実態把握がなされていなかった2010年段階における大阪府の被差別部落の状況を実証的に把握することができた。そして、これまで近年実態調査が行われた少数の被差別部落において確認されていたに過ぎなかった傾向、たとえば、中高年層の相対的安定の一方で若年層の不安定化が進行している状況が、大阪府の被差別部落全体においても確認できることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)