2013 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーションデザインおける情報ゲシュタルトの切り出しと視覚化
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23611007
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
桐谷 佳惠 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00292665)
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Keywords | コミュニケーションデザイン / コミュニケーション支援 / 情報の可視化 / 情報ゲシュタルト |
Research Abstract |
本研究の目的はメディアにより専門家と非専門家のコミュニケーション支援を行う際,メディア制作の指針となる情報の視覚化の仕方,情報ゲシュタルトを明らかにすることである。今年度は,制作物の改良と検証を重ね,最終成果物に向けてのデザイン指針を明らかにし,結論を得た。なお,本研究における専門家とは,小学校で動物介在教育行っている某研究室,非専門家とは小学校の教員,制作物は動物介在教育実施マニュアル(冊子)である。検証実験はacting evaluationによる実験を2回,デザイン改良を目的とした評価を1回,すべてデザイン専攻学生を対象に行った。 最後に,小学校教員を対象に冊子の有効性を確認した。対象者は,公立小学校の教員4名と私立小学校の教員1名である。調査会社を介して対象者を募集し,インタビュー形式で行った。結果として,教員の経験によって冊子の必要性が変わるが,経験の浅い教員にとっては特に有効とわかった。 結論として,コミュニケーション支援のための情報の視覚化は,情報の送り手と受け手双方の負担軽減が重要で,受け手の要求を把握してそれを視覚的に示す必要がわかった。情報ゲシュタルトとは,情報の受け手の枠組みで形成されるので,発信者のニーズだけで決まるものではない。同じものが,受け手のおかれた立場によって全く違った評価を受けることもあり,メディアそのものだけでその評価が決まるものではない。つまり,従来の情報の可視化研究や,デザインの実学などが示されている視覚化のルールは,いわゆる知覚的ゲシュタルト形成要因として重要ではあるが,それは情報発信者のニーズに応える段階のものである。情報の受け手には不安事項や要求があり,それが情報収集の際のフィルターとなっている可能性がある。 なお,制作された冊子は,介在動物教育を実施している株式会社アニマルライフ・ソリューションズで実際に使用される。
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Research Products
(1 results)