2011 Fiscal Year Research-status Report
デザイナの「きもち」を「かたち」に変える:デザイン幾何学を応用した計算機支援設計
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23611014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金谷 一朗 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 景子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (10585756)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | デザイン / 複合現実感 / 感性情報処理 |
Research Abstract |
本研究は,デザイナの「きもち」を「かたち」にするために,デザイン幾何学の知見と複合現実感 (Mixed Reality) 技術を駆使した,全く新しいコンピュータ支援設計システムを構築するものである.特に,ユークリッド幾何学を拡張し審美性を考慮したデザイン幾何学を導入して新たなコンピュータ支援設計のコアとし,これに複合現実感技術を応用したデザイナ・フレンドリーなコンピュータ支援設計システムを構築することを目的とする.我々はこれまでにデザイン曲線の作風ごとの微分幾何学的特徴(味わい・ボリューム感)を抽出することに成功し,この特徴量を利用した感性的曲線ドローイングツールを開発し,またこれらの知見をデザイン幾何学としてまとめ,造形デザイナに高く評価されている.本特徴量を3次元幾何に拡張し,より普遍的な造形デザイン特徴量を構築し,現在工業製品設計で主流になりつつある3次元CADシステムに応用することは極めて重要である.また,特に現在普及しつつある3次元CADシステムは造形デザイナの印象をCADシステムへ伝えることが2次元CAD以上に困難であるとされるため,前述の知見に基づいた新しい3次元CAD向けユーザインタフェースの開発も求められている.本年度は,上述の目標のうち,曲面の「曲がり具合の味わい・ボリューム感」を変化させながら提示できる装置を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の見積が正確だったため.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は,工業製品,立体造形などにみられる造形デザイン(とりわけ意匠曲面)の感性的類似度を定義し,造形デザインの感性的分類,検索,内挿,外挿を可能にすることを目的とし,究極的にはコンピュータによるデザイナ感性の創発をみることを目的とする.本研究課題には次の研究項目を設定した.研究項目1: 曲面の「曲がり具合の味わい・ボリューム感」を変化させながら提示できる装置を構築する研究項目2a: 研究項目1の装置を用いデザイナによる3次元造形の感性の幾何学的特徴を解析しモデル化する研究項目2b: 研究項目1の装置およびデザイン動作をセンシングする装置を用い,デザイナによる3次元造形動作の運動的特徴を解析しモデル化する研究項目3: 研究項目2aおよび2bの結果を用い,造形デザインの幾何学モデルを実装したデザイナ感性を理解するCADシステムを構築する上述の研究項目のうち,初年度は研究項目1を達成している.第2年度以降は研究項目2a,研究項目2b,研究項目3を実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究第2年度の研究項目は(a)デザイナによる3次元造形の感性の幾何学的特徴を解析しモデル化すること,および(b)デザイン動作をセンシングする装置を用い,デザイナによる3次元造形動作の運動的特徴を解析しモデル化することである.本研究項目遂行のために,デザイン動作をセンシングする装置を購入する.
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