2012 Fiscal Year Research-status Report
デザイナの「きもち」を「かたち」に変える:デザイン幾何学を応用した計算機支援設計
Project/Area Number |
23611014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金谷 一朗 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 景子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (10585756)
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Keywords | デザイン / 感性 / インタフェース |
Research Abstract |
本研究課題は,デザイナの「きもち」を「かたち」に反映させるための最適なコンピュータインタフェースに関するものである.デザイナがプロダクトやグラフィックをデザインする際には,デザイナの持つ感覚,感情,直感すなわち「きもち」を形態,色彩,素材を通して外在化させる(「かたち」にする)プロセスを経る.しかしながら,この外在化のプロセスはデザイン行為の本質ではないにもかかわらず,デザイン行為の中で最も時間を必要とする行為でもある.その主たる原因は,デザイナが従来持っていた「きもち」を「かたち」にする道具があまりに貧弱であるからであり,デザインという行為そのものがデザインされていないという「紺屋の白袴」的な状況が今日に至るまで続いていたからである.本研究課題において,研究課題実施者はこのデザインにおける外在化のプロセスを「デザイナフレンドリ」にするコンピュータインタフェースを設計している.具体的には,複合現実感技術を用いた平面ドローイングから立体造形にいたるまでのデザイン支援環境を制作している.より具体的には,まずデザイナの心理モデルを詳細に調査,検討し,平面ドローイングにおける心理状態,身体状態を計測し法則性を発見し,また立体造形に関しても文献調査,デザイナに対する聞き取り調査から心理状態の推定を行い,その数理モデルを設計した.本数理モデルにもとづき,平面ドローイング中のリアルタイムデザイン行為推定によるドローイング支援,および立体造形中にデザイナが「意図しないこと」を反映させないインタフェースを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね順調に進展している.当初の目的はほぼ達成され,それによって新たな知見を得るに至っている.
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度前半は主にデザイナによるユーザビリティ評価を行い,年度後半は得られた知見を取りまとめて出版するとともに,研究成果をオープンソース・ソフトウェアとして公開する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの研究成果を再配布可能な形でパッケージ化するために,コンピュータ,電子部品等の購入にあてる.また,研究成果を広く公開するための出版費用にあてる.
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