2013 Fiscal Year Annual Research Report
平面図形のシュパヌンクに関する基礎研究―視覚効果の定量的評価
Project/Area Number |
23611017
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木下 武志 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (90244772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長 篤志 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (90294652)
松田 憲 山口大学, 理工学研究科, 講師 (10422916)
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Keywords | 視覚心理 / 幾何学的形態 / 空間力 |
Research Abstract |
美術・デザイン分野における「シュパヌンク」は「空間勢力」や「空間力」と定義され、図形内部や図形外部、図形と図形の間の空間に作用し、視野内で物理的に配置した位置から移動して見える錯視(距離や間隔が正しい位置に視認できない。)や見る側に緊張感を与えると言われている。この視覚的な影響を調整するために「スペーシング」や「アイソレーション」の設定がデザイナらの専門家によって行われてきた。この「シュパヌンク」の空間の場への影響・効果(方向や強さ)について実験的に検討することにより、定量的な感性情報の基礎データを得ることを目的とする。具体的には、平面の基本的な幾何学的形態を刺激とした心理実験を行い、その結果と分析、考察から定量的評価を行う。 平成25年度の研究成果としては、次の1)~3)の実験をおこなった。1) 液晶ディスプレイに表示した平面図形の色相を変化を段階的に変化させた実験刺激(正三角形、正方形)を対象とした(全ての色をディスプレイ測色計で測色した)。結果として、色の膨張色の影響や明度の低い図形が大きく見える傾向が示された、2) 同じ面積の図形の見えの大きさの順についての検討を行った。対象図形として、正三角形、正方形、正五角形、正六角、正円を一対比較法を用いて、心理実験を行なった。結果として、頂点の数が少ない図形ほど大きく見える傾向が示された。また、同じ形態でも、頂点方向が垂直や水平に近いほど大きく見えるという異方性が認められた。3) 図形外部の「シュパヌンク」の空間への影響について明らかにすること目的として、液晶ディスプレイに表示した2つの基本的な幾何学的形態の形態的特徴、距離を段階的に変化させ、更に4つの配置位置を用いた実験刺激を対象とした。刺激の色は中灰色とした。結果として、距離と形態的特徴と三角形の頂点の内角の角度差による影響が明らかとなった。
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