2011 Fiscal Year Research-status Report
形状記憶合金デバイスディスプレイを用いたインタラクションデザイン研究
Project/Area Number |
23611018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富松 潔 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (70264124)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | インタラクションデザイン / メディアアート |
Research Abstract |
本研究は植物や生き物のような運動表現を得意とする表現技術の確立を研究の目的とする。要素技術として独自に開発中の形状記憶合金アクチュエータを用いる。現在では1方向自由度の運動表現しか実現できていないが、研究初年度までに3方向(全方向)自由度の運動表現ができるアクチュエータデバイスを新規開発中である。 第1段階の研究目的は、アクチュエータデバイスを応用展開させて、高密度マトリックス状に配置したものをモーションディスプレイ装置として完成させることである。(特許申請中)第2段階の研究目的は開発したモーションディスプレイ装置を用いて、植物が風になびくような動きの表現を行うことでディスプレイデバイスの運動表現で実現させたメディアアート作品を完成させることである。 発表・評価方法としてメディアアート表現を用いた作品制作を行い、メディア芸術祭などのコンペで、審査者や鑑賞者から評価を得て、インタラクションデザインの可能性を考察することとしている。以上のような研究の進め方で、人間のノンバーバルなコミュニケーションモードを用いることで、視覚的な情報ディスプレイでは表現できない、直観的な感性情報表現技術の開発に注力した。本年度は、まず初めに、構成要素である形状記憶合金アクチュエータがやわらかく曲がることによって、「植物のような」、「生き物のような」実体の運動表現を可能にするようなモーションディスプレイ装置を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既開発の要素技術である形状記憶合金アクチュエータの構造を大幅に見直し、アクチュエータの素材であるシリコンチューブを特注し、形状記憶合金線材を高性能のものに変更する。反応速度の早いアクチュエータを並べたデバイスディスプレイを開発した。23年度は、3方向自由度アクチュエータの開発に取りかかり、サンプル試作を繰返す。さらに表現力を高めるため、光ファイバーを利用してアクチュエータの先端を光らせて表現力を向上させる予定であったが、メディアアート作品の制作を優先した。研究成果をバーチャルリアリティー学会論文誌にコンテンツ論文として投稿し、現在は採択結果通知待ちの状態である。論文タイトルは「Tentacles: 形状記憶合金アクチュエータを用いたイソギンチャクの触手の蠢きの表現」と題して、波間に漂うイソギンチャクの触手の表現を行うために、これまで制作してきたHimawariやPlantとは異なるアクチュエータを開発し、さらにアート作品としての表現力を高めるために触手の動きに対して光と音を連動させることで、インタラクティブ性の高い幻想的な空間園首都を尾っこなった。「ISOGINCHAKU」では200ch以上のアクチュエータをコントロールするため、さらに高密度高効率な制御基盤を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究をさらに発展させるため、以下の項目を推進する。・ 引き続き、形状記憶合金デバイスディスプレイの開発・改良を続ける。特に高密度化、高速レスポンス性を追求する。・ インタラクティブメディアアート作品の制作を活発化させ、改良を加えた複製を2~3セット制作する。幅広く国際的な展示会のオファーを受けて、招待展示などを実施する。・ 発表展示で得られた審査員や鑑賞者の評価を分析する。・ モーションディスプレイを用いたデジタルサイネージに関する調査を始める。ネットワークを用いた双方向性を検討する。・ インタラクティブな制御方法についてアイデア展開を実施する。人間と生き物のノンバーバルコミュニケーションについて検討する。・ マイクロブログやSNSとの連携を検討する。デジタルサイネージとしての広告媒体分野での応用展開の可能性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3軸自由度を持つアクチュエータの開発を先延ばししているため、25年度はデバイスの開発に注力する予定である。24年度の研究予算の使用計画については、当初の計画通り設備備品費としては開発用のコンピュータ1台と作品展示用のコンピュータ2台を購入する。消耗品費では作品開発用電子部品を購入する。旅費では国内の調査、資料収集、研究打合せ、研究成果発表および海外での研究成果発表、調査、資料収集を計画している。その他作品制作に伴う人件費やワークショップ講師謝金も計画している。
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