2011 Fiscal Year Research-status Report
感性の観点からみた好ましい高齢者のためのパーソナル移動補助機器のあり方
Project/Area Number |
23611023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田村 良一 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (20253544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 康之 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (10336084)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | デザイン / 感性 / 高齢者 / パーソナル移動補助機器 |
Research Abstract |
初年度のため、主に本研究テーマに関連する基礎的な内容の調査を行い、次年度以降の計画遂行のための基礎固めを行った。具体的には、1)先行研究の調査、2)関連する専門家などへのヒアリング調査、3)関連するテーマのセミナー参加、4)本研究において提案しようとする調査手法の一つである「感性シート」の精緻化のための高齢者を対象としたプレ調査の4つである。1)については、本研究の評価対象となる「パーソナル移動補助機器」に関する先行研究、研究の着目点となる「ユーザーの感性」に関する先行研究の調査を行った。2)については、移動補助機器のデザインなどに関して専門知識を有するリハビリ工学技士、高齢者のパーソナル移動補助機器の利用実態などを把握するため地域の老人クラブをサポートする公的機関の職員を対象として、ヒアリング調査を行った。3)については、日本デザイン学会主催「イチから考えるサービスデザイン-サービスデザインための科学的アプローチと理論基盤」のデザインセミナーに参加し、パーソナル移動補助機器に関連するサービスシステムを検討する際に有用な資料を得た。4)については、パーソナル移動補助機器の一つである「杖」を評価対象として、女性高齢者1名を対象として調査を行い、感性シートの有効性を確認するとともに、課題を抽出した。なお、研究実施計画では、初年度はパーソナル移動補助機器、2年目をそれらに関連するサービスシステムとして、年度ごとに評価対象を区別していたが、両者を分割して捉えることが難しいため、研究の進め方を変更することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ユーザー調査において、本研究で対象とする「加齢」に伴いパーソナル移動補助機器を利用している高齢者をサンプリングすることが難しかったため、その進捗が遅れた。それに伴い、それらの結果をもとに実施を計画していたエモーショナルデザインのワークショップおよびヒアリング調査も実行に移せなかった。なお、今年度に計画していた米国の高齢者を対象とした調査も実施していないが、研究代表者の次年度のサバティカル取得、現地での調査研究が可能になったことから、今年度のメール等を用いた調査は実施しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ユーザー調査が実施できず、謝金等に想定していた予算が残額として生じた。次年度においては、その理由にかかわらずパーソナル移動補助機器を利用している高齢者、あるいは今後の利用が見込まれる高齢者を被験者としてユーザー調査を行う。また、エモーショナルデザインのワークショップおよびヒアリング調査を行う。さらに、これらの実施結果を参考にしながら、米国の高齢者を対象とした同様の調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、ユーザー調査のためのパーソナル移動補助機器の購入費およびレンタル費、被験者および研究補助者への謝金が主となる。また、米国での調査では、上記に加え、通訳費なども必要となる。
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