2012 Fiscal Year Research-status Report
ユーザの概念モデル可視化によるデザイン支援システムの開発
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23611025
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
姜 南圭 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (70452985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90352525)
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Keywords | 概念モデル / 可視化 / デザインプロセス / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度の実施計画は、昨年に実施したユーザの内省的作業を表現できるように拡張したADTモデルを基に、複数視点の導入によるデザインプロセスの応用を試みることであった。その際に大事になる複数視点から抽出された多様なユーザの概念モデルに関する情報を有効にデザインプロセスに活かすためには、複数視点間の活発な共有が必要とされる。ユーザの内省的レベル情報のより積極的な共有が行われるように、「TTS手法」を開発した。そのTTS手法は、複数の視点(デザイナー側)はユーザの内省的レベルの観察結果を、TTS手法シートを用いて複数の視点から気づいた情報を可視化し、その可視化された情報を共有することからまた新たな気づきが行われるように開発された手法である。この手法の活用により、複数視点からの多様な情報がアイディア創造プロセスにより積極的に活かすことができる。今後、より多くのデザイン創造プロセスにおいて活用できるように、TTS手法の改善と電子システム化を計画している。 また、複数視点の導入による実践的な試みとして、多用な価値観を集約するツールを開発した。それは、災害時教育やモラル教育の現場で実績のある「クロスロードゲーム」をベースとしたウェブサイト上のコミュニケーションツールである。参加者は、ウェブブラウザやスマートフォンなどの携帯端末を用いて、画面上に表示される設問に「はい」もしくは「いいえ」で答える。設問は立場によってその回答傾向が大きく異なるものを採用している。回答後、他のプレイヤーの判断を表示し、多様な考え方への気づきを促すものである。ゲームの結果は随時サーバに蓄積され、分析に用いることもできる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究については、前年度に引き続き、研究分担領域それぞれが当初計画通りの進捗である。特に、2012年度では、2回にわたるワークショップ(1.Workshop of Conceptual Modeling and Design Support Method(概念モデル可視化とデザイン支援に関する勉強会)、2.Experimental Workshop; Kansei Engineering with Art % Design Studies(ユーザの概念モデル可視化によるデザイン支援システム開発)をアメリカで実施した。また、2012年度の研究成果は、KSDS2013(Korean Society of Design Science) 及びHCI International 2013 (Human Computer Interaction 2013)などの国際学会に採択され、研究成果発表を行う予定である.これについては2013年度5月と7月に行う予定であり、準備は順調に進歩している。
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Strategy for Future Research Activity |
ユーザの内省的作業の構造分析とユーザの概念モデル導入、そして複数視点の導入による拡張型ADFモデルを基にデザイン支援システムの構築を行う。特に、複数視点の導入などを基に拡張されたADTモデルの有効性の検証を行い、デザイン支援システム構築への適応可能性を検討し、その結果に基づいたシステム構築を行う。 そのために、開発したコミュニケーションツール及び複数視点の導入を基に開発されたTTS手法は、日本・中国・シンガポール・韓国などのデザイナーが参加し行う予定である国際デザインワークショップなどで活用し、その効果を検証する. また,コミュニケーションツールにおいては、どのような状況において判断が分かれるのかについて分析して、その結果をADTモデルの知識データベースに反映させる予定である。TTS手法については、電子システム化するための試みも行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続き、システム提案における資料の購入する予定である。開発された手法とコミュニケーションツールの有効性を明らかにする必要があり、国際デザインワークショップの実施による検証を行う予定である。その他、研究者会議をより充実に行うとともに、研究成果の発表するためのの旅費及び会議への参加費を予定している。
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Research Products
(6 results)