2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己言及型セルオートマトンによる多段階創発システムのデザインと実装
Project/Area Number |
23611027
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
中島 秀之 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 学長 (80344224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 文孝 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (90404805)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 多段階創発 / CFN / フラクタル / セルオートマトン |
Outline of Annual Research Achievements |
多段階の創発システムの実現を目指して研究して来た.本研究の初年度に新たに考え出したCFN(Complete Fractal Network)の考え方を精緻化し,これを2段階創発システムとして実現することを目指した.CFNは各階層で全く同じ構造を持つフラクタルネットワークであり,各階層のノード数KをパラメータとしてK-CFNと呼んでいる. これらのうちK=4の4-CFNは平面展開と相性が良いためセルオートマトンに1対1で変換できる.セルの簡単な書き換え規則を設定することによって4-CFNを2段階まで発生させることに成功した.結果を国内外で発表した.特にCFNに関しては単純な構造ながら上下両方向に拡大可能なネットワークとして新しい発見であることを確認した.また,ネットワークの再帰的構造は概念的なものであり,物理的実装が困難あるいは不可能であるが,フラクタル構造は物理的に実現でき,多段階創発のための有力な手段であることが分かった. 同時に,セルオートマトン上における創発システムの実現に向けて,フラクタルネットワークの観点からシステムを考察してきた.昨年度には,実数体上から有限体上へ方程式を変換するシステマティックな方法を提案し,その解が非自明なフラクタル構造を生じることを見出した.この系は時間および空間について(1+1)次元系であるが,その方程式の構造を詳細に調べるために,より簡単と思われる類似の1次元系に着目した.その結果,一般的な体の上でハンケル行列式タイプの解を持つことが分かった.この系は楕円曲線と密接な関係をもつことから,数理科学的にも暗号理論や計算数論への応用が期待され,当初予期しなかった萌芽的発展が得られている.
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Research Products
(6 results)