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2013 Fiscal Year Research-status Report

発達障害児に配慮した物語の表示デザイン

Research Project

Project/Area Number 23611033
Research InstitutionShizuoka University of Art and Culture

Principal Investigator

宮田 圭介  静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (40387527)

Keywordsデザイン / 特別支援教育 / 発達障害 / 電子書籍 / ピクトグラム / 読解
Research Abstract

平成25年度研究計画に基づき,通常学級に在籍する発達障害児を対象として,試作した電子書籍における表示デザインが,登場人物の感情理解を促すのに効果があるのか,評価実験を実施した.まず,予備実験として,中学1年の広汎性発達障害児1名を被験者として,タブレットPC版電子書籍「ごんぎつね」1巻(平成24年度試作)の通読テストを行ったが,学校でタブレットPCの操作方法を学んでいないことと,読解に20分以上要する長文であるために集中力が持続できず,実験遂行が困難であった.
そこで,小学5年から中学3年までの通常学級に在籍する発達障害児13名を被験者として,ノートPC版電子書籍「あめ玉」(平成23年度試作)の市販ワークを用いた解答実験を行った.保護者に実験統制をお願いして,全員在宅で解答していただいた.小学5年の国語教科書に掲載される,10~15分で回答できる短編物語であるが,12名がほぼ正解できていた.小学校高学年レベルの発達障害児を対象とする読解力評価には,15分以内で完了できる実験課題を求められることが確認された.
また,平成24年度のJIS規格ピクトグラムの認知評価実験において,健常児・発達障害児ともに理解しにくいピクトグラムが確認されたため,感情や抽象概念の理解を促すデザイン改良を行った.大学生22名を被験者としてJIS規格版と改良版の認識率比較評価を行った結果,「休む」と「見る」の正答率は大幅に向上して改善効果は確認されたが,認識率を向上させるデザイン原則や規則性を見いだすには至らなかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

発達障害児を被験者とする場合,文章読解を苦手とする傾向があるため,健常児よりも短時間で読解力評価できる実験課題が求められることが判明した.ゆえに実験課題に向いた適切な難易度の物語の選択や,質問内容の変更に時間を要した.
また,通常学級に在籍する発達障害児の症状のばらつきが大きいため,提案する表示デザインの有効性を評価するには,難易度を変えた数種類の実験課題を用意する必要があるが制作途中の状況である.

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は補助事業期間延長により本研究の最終年度になるので,電子書籍の登場人物の感情や抽象概念の理解を促すために提案する表示デザインについて,難易度を変えた実験課題を準備して,通常学級に在籍する発達障害児による有効性評価実験とデザイン改良を行う.また,学会デモ展示での外部評価による改良も継続して行う.
発達障害児の被験者確保が最大の課題であったが,「浜松特別支援教育研究会」のご支援により,平成25年度から発達障害児の被験者は約20名確保できる目処がついている.
評価方法としては,教科書用試験問題の正答率変化で分析を行う.長時間実験が難しいため,初めに,15分以内で実験が完了できるよう,市販教科書の一部を読んだ後,問題を解答してもらう.次に日時を変えて,同じ箇所の電子書籍を読んだ後,再度,同一問題を解答してもらう.その前後の正答率変化を分析して表示デザインの有効性を評価する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

発達障害児を被験者とする場合,文章読解を苦手とする傾向があるため,健常児よりも短時間で読解力評価できる実験課題が求められることが判明した.また,発達障害児の症状のばらつきが大きいため,提案する表示デザインの有効性を評価するには,実験課題に向いた適切な難易度の物語の選択や,質問内容を変えた数種類の実験課題を用意する必要がある.
平成26年度は,電子書籍の登場人物の感情や抽象概念の理解を促すために提案する表示デザインについて,難易度を変えた実験課題を制作して,通常学級に在籍する発達障害児による有効性評価実験とデザイン改良を行う.予算は,電子書籍デザインと実験課題の改良制作費用,被験者実験費用,研究発表費用に使用する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 発達障害児向けピクトグラムの検討(第二報)2013

    • Author(s)
      宮田圭介,山本浩希,任田沙恵
    • Journal Title

      ヒューマンインタフェースシンポジウム2013論文集

      Volume: 1 Pages: 613,616

URL: 

Published: 2015-05-28  

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