2013 Fiscal Year Annual Research Report
身体を考える生活を促す支援環境と生活意識の構成論的デザイン実験
Project/Area Number |
23611039
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
諏訪 正樹 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (50329661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筧 康明 慶應義塾大学, 環境情報学部, 准教授 (40500202)
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Keywords | 身体知 / ことば化 / オノマトペ / インタラクティブメディア / 構成的方法論 / 生活意識 / コミュニティ意識 |
Research Abstract |
本研究は,身体を考える生活という概念と,それを実践する認知手法である”からだメタ認知”を提唱し,生活意識やコミュニティ意識の醸成を達成する実践研究を行うことを目的とした.その目的を達成するために,以下の3つの要素研究(research issue)が必要であることを見いだし,研究成果を得た. (1)からだメタ認知を促進し,体験をことばで表現するための手法:体験(例えば,ある地面を歩く,街を歩いて雰囲気を感じる)をことば化するための手段として,創作オノマトペ(一般に使われる擬音語擬態語ではなく,音素を組み合わせて自由に創作するオノマトペ)を用いることのフィージビリティを,まち歩き実験,足裏感覚のことば化実験などを通じて検証した. (2)からだメタ認知を促進するインタラクティブメディアの開発デザイン及び生活実験:足裏感覚のことば化実験において,体験に伴い生じる物理信号(例えば,歩く際の靴の振動)と創作オノマトペの対応関係をデータとして取得し,生活実験を繰り返すことでその対応解像度が向上することを,定量的に示した.この成果は,からだを明示的に駆使した行為の体験に伴い生じる物理信号と,本人の主観的なことばの対応を,メディアを通して本人にフィードバックすることにより,からだメタ認知がより促され,日々の生活のなかで感性を育む「身体を考える生活」が可能になることを示唆するものである. (3)身体を考える生活の実践を他者に伝える方法論の探究:身体を考える生活の体験を語ることは一般に難しい.まず,身体に根ざした生活の本音をことばにさせるインタビュー手法の開発を行った.更に,ことば化した内容を他者に共有するための広報メディア(ポストカードやweb)のデザインを遂行した.この要素研究を通じて,身体を考える生活の体験は生活意識やコミュニティ意識の醸成につながることを検証できた.
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Research Products
(8 results)