2013 Fiscal Year Annual Research Report
協同デザインプロセスとしてのソーシャルカスタマイゼーションの認知科学的分析
Project/Area Number |
23611040
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
新垣 紀子 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40407614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 久雄 成城大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30407613)
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Keywords | インタフェース / ナビゲーション / カスタマイゼーション / デザイン |
Research Abstract |
私たちの日常場面において、他者によって作り出されている情報は、私たちの行動をどのように支援しているのだろうか。この営みを検討する対象として貼り紙を取り上げ、分析を進めてきた。貼り紙には多様なものがあるが、日常場面で人がとまどう状況や混乱を起こす場面において、人を援助するために作られた情報伝達の役割を果たす貼り紙がある。このような貼り紙がその場にいる人に対して与える情報は、マニュアルに書かれている情報のような一般的なものとは異なり、人工物や環境と人のインタラクション場面に介在して、人々の活動を支援するものである。貼り紙などを用いてシステムや環境をその場における人に合うように改変する「ソーシャルカスタマイゼーション」にどのような機能があるのかを検討することが本研究の目的である。 新規の建物が利用されてから、その建物がどのようにカスタマイズされて行くかを時系列で記録した。経時的に収集した貼り紙とそれらを受け止めるユーザの認知プロセスの分析結果に基づき、貼紙にどのようなソーシャルカスタマイゼーションの機能があるかを分析した。その結果、時間軸、空間軸、利用者の軸、情報提示の強度、情報の内容においてさまざまなカスタマイゼーションがなされていることが観察された。 観察された貼り紙の中で、時間の経過とともに、空間軸や情報提示の強度、および情報の強度を調整した貼り紙があった。特定のカスタマイゼーションに対して、ユーザ調査を行うことにより、貼り紙の位置と情報量が変化した後では、貼紙の認知率が上昇し、カスタマイゼーションが実際に有効であることが明らかとなった。
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[Book] コミュニケーションの認知心理学2013
Author(s)
伊東昌子編 伊東昌子, 佐々木美加, 新垣紀子, 山本博樹, 原田悦子, 青山征彦, 白石将浩, 仲真紀子, 伊田政司, 申紅仙, 南部美砂子
Total Pages
233(31-45)
Publisher
ナカニシヤ出版