2012 Fiscal Year Research-status Report
衝撃入力・音響応答理論に基づくサグラダファミリア教会ガウディ・ベルの設計
Project/Area Number |
23611042
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
戸井 武司 中央大学, 理工学部, 教授 (90286956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ジョ ワン ホウ 中央大学, 理工学部, 助教 (60580058)
古屋 耕平 岐阜大学, 工学部, 助教 (40580056)
吉川 茂 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (80301828)
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Keywords | ガウディ・ベル / 衝撃応答 / ピッチ / 入力制御 |
Research Abstract |
本研究では,衝撃入力および応答を解析する方法について考察し,複数の音階を持つ鐘としてガウディ・ベルの実現とベル音楽を奏でるための音階を構成する具体的な設計方法の確立を目指している.平成23年度は,鐘の設計に適用できる理論を検討し,鐘の応答との関連性を把握した.数値シミュレーションを用いてガウディ・ベル基本形状(両端に開口部を持つ長い円筒型で長手中央部が細い形)の共振周波数および振動モードを予測し,入力による衝撃応答の変化を把握し,ピッチ基盤の認知モデルの検討を行った. 平成24年度は,意図した音を出すためのデザイン方法を確立することを目的とした.まず,鐘が持つ多数の共振周波数おいて,音階として聞こえる共振周波数を決定する設計因子を把握した.次に,主観評価を行い複数のピークのうち音階として聞こえる成分を特定した.それらの共振周波数はスペクトラルピッチで高いレベルを持つ成分と一致しており,ピッチ分析により鐘の音階予測が可能であることを確認した.一方,特定の周波数を選択的に加振する入力制御方法を検討した.衝撃入力を行うための加振ハンマーの面接触による影響を考慮し,Hertzの接触理論に基づいたクラッパの加振特性の予測モデルを提案した.さらに加振器を用いて複雑な任意波形で鐘を加振し,意図した共振周波数を選択的に発生させることが可能なことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の達成度は,全体の凡そ70%であり,予定通りに進んでいると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,数値シミュレーションによる設計に基づいた鐘を製作し,デザイン方法の検証と鐘の主観評価を行う.鐘の形状は,現在のガウディ・ベル基本形状をできるだけ維持する方向で,音域の異なるガウディ・ベル数本を試作する.試作品は無響室で加振実験を行い,音源データを収集し,試聴実験を行う.主観評価では鐘単体の音や,幾つかの空間特性を加味した加工音を被験者に聞かせ,音階の分離性や聞き心地などを評価する.また,実験モード解析を行い,共振振動数および振動モードを把握し,数値シミュレーションとの精度検証を行い,共振周波数の差異と音階との関連性を考察する.これらの結果から,デザイン方法の有効性および信頼性を検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は鐘の音測定に必要なセンサー類を固定するフレームや治具,数値シミュレーションに使用するPCなどを購入した.平成25年度は鐘の試作品を製作するため,その製作費とセンサー類に予算を使用する予定である.
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