2011 Fiscal Year Research-status Report
モーションキャプチャデータを用いた生体信号の実時間可視化
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23611048
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
松河 剛司 愛知工業大学, 情報科学部, 講師 (30580518)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | モーションキャプチャ / 3次元コンピュータグラフィックス / 可視化 / 生体信号 |
Research Abstract |
平成23年度はモーションキャプチャシステムによって得られる人の動作情報と筋電図から得られる筋活動度といった生体情報を,3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)によって作成した人体アバターアニメーションによって,測定と同時に実時間で統合可視化し,表示するシステムの設計を行った.また可視化システムの評価実験として起立介助動作,剣道経験者と未経験者の動作・生体負担計測を行った. 実時間で可視化結果を提示することにより,介助者が非介助者の負担を軽減できること,非介助者も介助者の負担を知ることで,介助者の負担を減らすよう姿勢を変える等の動作を行なうことで,実際に介助者の負担が軽減することを確認した.しかしながら実時間可視化における信号処理方法,可視化方法には改善の余地がある為,今後改善を進める.また提示方法によっては,動作自体の妨げになる場合があった為,今後はプロジェクター,及び透過型ヘッドマウントディスプレイを主な提示機器として実験を進める. 剣道の有段者,未熟者のデータ計測実験を行なった.このデータを元に有段者と未熟者のデータを比較し,有段者の特徴,未熟者の特徴を分析,評価を行い,教示用のデータとして有段者データの可視化データを作成する.計測実験時の被験者から,剣道の打ち込み動作時に実時間可視化を行なっても,ほとんど可視化結果を意識することができないであろうとの意見を得た.その為,剣道などの速度を必要とするスポーツなどにおいては,動作後にすぐに可視化結果を確認できるようなシステムの必要性が生まれた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった,実時間可視化を行なう為のシステム開発,及び計測実験は予定通り進行することができた.計測実験から,次年度以降に実時間可視化における可視化手法の改善,提示方法の限定,スポーツ動作時の提示手法の検討が必要になったが,当初の研究計画で平成24年度に行なう提示手法の検討に関する研究の中で行なうことのできる範囲である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定通り,提示手法の検討を行ないつつ,システムの改善を平行して行なう.当初の予定では片眼式のヘッドマウントディスプレイを使用する予定であったが,昨年度新たにシースルー型のヘッドマウントディスプレイが発売された為,提示機器としてシースルー型を採用して実験を進める.平成24年度には現在行なっている剣道の打ち込み動作の可視化実験,未熟者への可視化結果提示による学習効果の評価実験を行なう.主にプロジェクターを使用した可視化結果の提示を行なう.また動作計測実験とは別にヘッドマウントディスプレイ,プロジェクター,タッチパネル型ディスプレイ,モバイル端末をそれぞれ使用した可視化結果提示実験を行い,可視化結果の理解度や操作性の評価実験を行なう.平成25年度には野球の投球動作や自動車のセンターパネル操作,介助動作の可視化実験を行う.それぞれの可視化実験により,スポーツ上達効果や,製品評価,リハビリテーション効果などへの可視化システムの有用性の評価を行なう.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品としてタッチパネル型の液晶モニタを4台購入予定(単価70000円×4台)であったが,1台購入とし,代わりにシースルー型のヘッドマウントディスプレイ(単価80000円),および小型のプロジェクター(単価80000円)を購入し,ヘッドマウントディスプレイ使用時に使用する小型ノートPC(100000円を購入する).消耗品として計測実験の為に生体信号消耗品(80000円),動作計測消耗品(100000円)を購入する.出張として,国内出張(研究打ち合わせ,学会参加,150000円),情報収集の為の海外出張(ACM学会主催のSiggraph,300000円)を行なう.謝金として実験被験者に謝金(1回1000円x20回)を支払う.その他として研究成果を芸術工学会に投稿する(70000円).
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