2013 Fiscal Year Research-status Report
サステナブルな自動車社会のための自動車エコデザイン支援システムの研究
Project/Area Number |
23611050
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Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
東 大輔 久留米工業大学, 工学部, 准教授 (20461543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 明 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (80325571)
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Keywords | 自動車デザイン開発 / 自動車デザイントレンド / エアロダイナミクス |
Research Abstract |
(1)自動車デザイン開発プロセス調査(国内):国内の自動車デザイン開発関係者(自動車メーカーデザイン開発関係者および自動車ジャーナリストなど)に自動車デザイン開発の現状とエコデザイン支援システムに対する要望について情報収集した.新規プロジェクトの企画段階からパッケージング,空力,重量などを統合的に検討するプロセスを取り入れている企業が多く,エコデザイン支援システムを企画段階から用いるツールにする手法のヒントを得た.エコデザイン支援システムの最終仕様として,各プロジェクトのキャラクターに依存するものの基本的に盛り込む空力知識は細部形状最適化に関する項目とし,全体プロポーションはパッケージングレイアウトの要件を重視する. (2)自動車デザイントレンド調査:東京モーターショー2013プレスデーに自動車ジャーナリストらと参加し,現在の自動車デザイントレンドと今後の方向性を調査した.近年のモーターショーは国内外を問わず電気や水素などの次世代自動車のPRが顕著であり,各自動車メーカーのデザイナーは航続距離を伸ばすためにも空力性能と軽量化は必須課題と口を揃えた.内燃機関に限らず,次世代自動車でもエコデザイン支援システムに対する期待は大きい.また,近年の若者のデザイン嗜好がIT技術の進歩とともに大きく様変わりしていることなど,極めて重要な情報を入手した.エコデザイン支援システムのパラメーターの重みづけに反映する. (3)最新空力技術調査:エコデザイン支援システムの要となる空力技術について,国内航空宇宙産業のトップエンジニア多数から最新空力技術の情報を入手した.最新の民間旅客機であるボーイング787のユニークなデザインの空力的な意味や各種設計要件など,自動車デザイン開発と対比すると大変興味深い話を聞けた.研究中のエコデザイン支援システムに盛り込む空力知識に大いに参考になる情報を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
頭書計画では25年度末までに自動車エコデザイン支援システム(ソフト)の簡易パイロット版を完成させる予定だったが,協力関係者との日程調整が合わず,最終仕様の打合せが期間内にできなかった.また,これまでに収集した情報のまとめや分析も間に合わず大いに反省すべき結果になってしまった.継続を許された次年度には調査研究成果をまとめ,エコデザイン支援システムの簡易パイロット版を完成させるとともに外部に情報発信する予定である. なお,これまでに得た研究成果を以下にまとめる. 1.国内自動車メーカーと海外自動車デザイン開発会社とのデザイン開発プロセスの相違点理解.2.自動車デザイン開発プロセスの問題点と改善提案.3.自動車各部位の形状変更によるデザイン評価影響度理解.4.自動車空力性能を高める最新空力技術の把握.5.自動車デザイントレンドと今後の展望調査.など
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Strategy for Future Research Activity |
国内自動車デザイン開発関係者や自動車デザインジャーナリスト,さらに協力ソフトメーカーに対し,最終情報収取を行う.その上で,これまでの研究調査結果を盛り込んだ簡易パイロットシステム(ソフト)を完成させる予定である.なお,システムに盛り込む知見の収集は順調に進んでおり,簡易パイロットシステムを構築する手法の最終検討段階に入っている.現時点ではエクセルなどの表計算ソフトを活用したシステム(ソフト)を検討しているが,今後の展開では方針転換する可能性もある.いずれにせよ,多くのユーザーが簡便に用いられるシステムを目指す. また,これまでの研究成果を反映し,優れた空力性能と実用性を持ちながら魅力的なスタイリングを有するデザインモデルの作製も行う予定である.なお,モデルの製作は専門業者で行うが,依頼するための3D-CADデータは本研究グループで作成中である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
協力してくれているソフトウェア開発メーカーや自動車デザイン関係者との日程調整が合わず,自動車エコデザイン支援システム(ソフト)の最終仕様を検討する打合せが期間内に行えなかった.また,検討結果を反映したデザインモデルの作製を進めているが,これも細部のデザインが完成しておらず,作製の着手が次年度になってしまった. 【旅費】自動車エコデザイン支援システムの最終仕様の打合せのため,国内出張を行う予定. 【備品費】研究内容を反映したデザインモデルを専門業者で作製する予定.(3D-CADデザインデータは本研究グループで作成中.)
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Research Products
(6 results)