2013 Fiscal Year Annual Research Report
錯視の公共空間への活用ーイメージハンプの盛り上がり効果
Project/Area Number |
23611051
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
星加 民雄 崇城大学, 工学部, 准教授 (10331068)
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Keywords | 錯視効果 / イメージハンプ / ハンプ / 速度抑制効果 / 盛り上がり効果 / 坂道錯視 / ストライプパターン / 視野角 |
Research Abstract |
研究実績の概要:人間の目は対比するものの存在や先入観によって実際とは異なる見え方をする。本研究は、このような日常生活の中で生じる錯視の現象を芸術的表現のアイディア展開の視覚的効果の逆利用として交通システムの一部に活用することを目的として研究をおこなってきた。これまでおこなってきた錯視効果に関与する様々な要素を分析し、道路上への応用に結びつけるためには、一般の芸術表現とは異なり動いている状態での効果を演出しなければならず、大きな問題点として研究プロセスに影響した。二つ目に、道路上に描かれた文字やラインの視野角の低さ(見かけの奥行き)により、奥行きの短い状況での効果が期待できにくい点が浮き彫りとなった。 一方、これらの実験結果を通し、効果が期待できる表現要素もいくつか明らかになった。活用可能な表現要素として、ストライプ型イメージハンプにおいては10m以上の奥行き長が必要であると同時に、漸変変化のパターンと逆遠近法の活用や縦ラインの配置で盛り上がり効果が増強することも実験検証で明らかになった。また坂道錯視に見られるように、坂道の頂点部分が見える場合、その背後に見える遠くの道幅を設けることで対比効果の影響で盛り上がり効果を演出することも明らかになった。これは坂道の頂点と錯覚することが要因と考えられるが、その背後に見える遠くの道幅は狭くするほうが効果的であることも確認されている。これらの視覚的効果に加え、音や衝撃などを付加することで速度抑制効果がさらに増強する可能性が高いことも明確になっている。その意味では、錯視効果が動いている状態での効果の演出が難しいという問題点とともに、今後の展開へと結びつく知見となる価値ある研究成果を得る事ができた。
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