2011 Fiscal Year Research-status Report
拡張現実内における3DCG植物生長シミュレーションシステムの開発に関する研究
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23611052
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Research Institution | Iwate prefectural university,Miyako college |
Principal Investigator |
大志田 憲 岩手県立大学宮古短期大学部, その他部局等, 准教授 (30331276)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 拡張現実 / CG |
Research Abstract |
コンピュータグラフィックス(Computer Graphics,以下CG)は様々な領域で利用されており,現在ではその技術を拡張現実(Augmented Reality)にも適用し,現実の映像情報に組み込んだ付加情報として合成する研究事例も増えている.しかしながら,3DCG による植物生長モデル等の仮想物体を現実の映像情報に重畳し,造園や環境,空間デザイン等の景観シミュレーションに応用するといった,自然物,現象をAR 環境と融合した研究例は少ない.本研究では,これまでに研究,報告を行ってきたCG における樹木の生長モデルを改良し,拡張現実の技術に適用させたシステムの開発を行うことを目的とする.また,その効果,問題点,課題を明確にする. 平成23年度は本システムを実現するにあたり,既存のCG における植物の表現法に関する研究や拡張現実における研究動向を調査する事を目的とし,文献の収集および学会等での情報収集を中心に実施した.既開発の3DCGによる樹木の生長モデルを拡張現実内環境での生長シミュレーション適用可能にするためのプログラム開発を進めた.また,CG生長モデルに付随する3D部品の作成も実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は本システムを実現するにあたり,既存のCGにおける植物の表現法に関する研究や拡張現実における研究動向を調査する事を目的とし,文献の収集および学会等での情報収集を中心に実施する事で,関連する研究事例等の収集ができた.また,既開発の3DCG 生長モデルを,拡張現実内の環境での生長シミレーションへ適用可能にするためのプログラム開発を行った.また,CG生長モデルに付随する3D部品の作成も実施した. 以上の研究成果については,「拡張現実を利用した樹木CG生長モデルの開発に向けた基礎検討」として,岩手県立大学宮古短期大学部研究紀要第22巻第2号(2011年12月発行)にて報告している.これまでの関連する研究事例等を調査し,既開発のシステムの問題点や課題を明確にし,試作段階ではあるが拡張現実空間での生長モデルの動作確認が実施できた.また,芸術科学会東北支部研究会にて,本研究内容の口頭発表を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,次年度は既存の生長モデルのアルゴリズム改良,そのコンピュータプログラム化を重点的に実施する.植物の生長モデルに関する研究は筆者のものも含め様々な報告例があるが,拡張現実などの仮想環境における表現を実現するためには生長シミュレーションモデルの内部処理,計算の簡略化および高速化をする必要もあることから,3Dモデルのデータ量や計算量の削減法の検討を行い実装する. 加えて,拡張空間内で複数の植物の生長および経年変化を実現するために,複数生長シミュレーションを並行動作させるモデルの検討をする.これは,生長シミュレーションモデルのプログラムをオブジェクトプログラム化することで実現する. 23年度において試験的であるがC 言語の生長モデルプログラムをオブジェクト指向言語であるC++へと実装したが,今後はアルゴリズム等改良を加えることで効率的なシミュレーションモデルを開発する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は今年度同様,当初の研究計画に沿った研究費使用を行う予定である.拡張現実内でのシミュレーションシステムを実現するため,環境構築用のモバイルPC(ノートパソコン)とタブレット型端末やモバイル端末を購入し,シミュレーションモデルの実装研究をすすめる.また,生長モデルの生成に伴い,各種画像の処理も必要となるため,画像処理アプリケーションを購入予定である.また,学会や研究会等の情報収集を継続する.また、今年度繰り越した経費については,震災により学内日程(学年歴)が変更となり,当初予定していた研究会等の学外調査スケジュールが講義期間と重なったため生じたものであり,次年度の調査費用や出張費として活用する予定である。
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Research Products
(1 results)